#21 『THE 汚縄一郎』

 

 

【登場人物】

 

死神・苦竜(クリュウ)

 

汚縄一郎(おなわ・いちろう)・・・極悪人  国瓜政党 『罠腫党』 → 『俺様が一番』 → 『俺様の党』 の党首だが、そろそろ終わりが見えて来たヤツ

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

国会議事堂内で汚縄一郎(おなわ・いちろう)が苦竜と出会った。

苦竜が言った。

 

「俺の姿が見えた以上、オメェはただの悪(わる)じゃねぇな」

 

「オゥ!!

 

汚縄が相槌を打った。

 

「ウム。 気に入った。 良し!! オメェの願いを一つだけ適(かな)えてやろう。 一つだけな。 なんでもいいから言ってみろ」

 

「一つだけか?」

 

汚縄が聞き返した。

 

「あぁ、そうだ。 一つだけだ」

 

「普通この手の話は、三つじゃねぇのか?」

 

欲の皮の突っ張っている汚縄らしい事をほざいた。

 

「否、俺の場合は一つだ。 何度も言わすな」

 

『ケッ!? ケチくせぇ野郎だ』

 

汚縄は思った。

そして、

 

「ウ〜ム」

 

何を適(かな)えてもらおうか考え込んだ。

 

「どうした? 早く言え」

 

そんな煮え切らない汚縄の態度に、苦竜が少しイラついた。

 

「まぁ、待て。 今、考えてる所だ。 ウ〜ム」

 

瞬間、

 

『ピッコーーーン!?

 

汚縄が何かを閃いた。

その表情を見て苦竜が聞いた。

 

「どうやら決まったようだな?」

 

「あぁ、決まった」

 

「なら、言ってみろ」

 

「うむ。 一生掛かっても使い切れねぇだけの金(かね)だ。 そんだけの金をくれ。 ホントに出来るんならな」

 

「あぁ、出来る。 だが、そんなもんでいいのか?」

 

「ウム」

 

「ホントにいいんだな?」

 

「あぁ、いい!! 政治家に二言はない!!

 

汚縄がキッパリとそう言い切った。

こう思いながら。

 

『二心(にしん)はあるがな・・・』

 

って。

そんな汚縄に苦竜が言った。

 

「良し。 なら手を出せ」

 

「ん!? 手を?」

 

「あぁ、そうだ」

 

『なんでそんなマネを? 札束タップリのジュラルミンのケースが出て来んじゃねぇのか、普通?』

 

などと、不審に思いながらも強欲な汚縄が苦竜に右手を差し出した。

 

「手を開いて上に向けろ」

 

「・・・」

 

無言で汚縄が苦竜の言う通りにした。

 

すると・・・

 

汚縄の手の平に一円玉が乗った。

 

「な、なんだ!? これは?」

 

「オメェが一生掛かっても使い切れねぇだけの金だ」

 

それを聞き、バカにされたと思ったのだろう、みるみる汚縄のお顔が紅潮した。

怒りで真っ赤だ。

そして、

 

「ふ、ふざけた事を言うんじゃねぇー!! バ、バカにしやがってー!!

 

威勢のいい啖呵(たんか)を切って、汚縄がその一円玉を苦竜の足元付近の床目掛けて投げ捨てた。

 

その瞬間・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

汚縄の心臓が止まった。

 

 

 

 

 

 

#21 『THE 汚縄一郎』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#22 『疑問』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

有栖川呑屋コマル・・・当ブログ管理人

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチがお家の近くの神社のお祭りで、アルバイトをしていた。

幟(のぼり)を立てての露店商だ。

その幟にはこう書かれてあった。

 

『オメェらの疑問、なんでも答えてやるぜ。 料金は2問でたったの1万円ポッキリょ!!

 

そこにたまたまコマルが通り掛った。

ポチの露店に気が付いた。

掲げてある幟を見てコマルが聞いた。

 

「オィ! ポチ!!

 

「オゥ!? コマルかぁ!? なんだぁ?」

 

「2問で1万円はチョッと高くねぇか?」

 

「オゥ!! 勿論、たけぇぜ!!]

 

「だょな」

 

「オゥ! そうだぜ!! で!? もう一つの疑問は?」

 

「え!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#22 『疑問』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#23 『定食屋』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

定食屋で順番待ちの客達

 

 

 

 

 

ある定食屋にて・・・

 

 

そこは行列の出来る、その辺りでは超有名な定食屋だった。

今日も又、昼の開店前から大勢の客が順番待ちをしていた。

そこへヒョッコリ、ポチがやって来た。

ポチが順番を無視して店の中に入ろうとした。

 

すると・・・

 

並んで順番待ちをしていた客に首根っこをつかまれ、

 

「順番、守りやがれ!!

 

そう言われて、列の後ろに放り投げられた。

だが、

ポチはあきらめなかった。

再チャレンジした。

 

!?

 

結果は同じだった。

更に、客達から、

 

「順番無視するんじゃねぇ!!

 

「横入りはダメょ!!

 

「みんなさっきから並んでるんだから!!

 

「ネコの分際で、ふてぇ野郎だ!!

 

 ・・・

 

などと罵(ののし)られ、罵声(ばせい)を浴びせ掛けられた。

それでもポチはあきらめなかった。

再再度、チャレンジした。

流石に三度目ともなると、客達の扱いは酷かった。

ポチは客達に散々、小突き回された挙句、最後は投げ飛ばされてしまった。

終に、ポチが切れた。

来る前にコマルに締めてもらった鉢巻をムンズとつかみ上げ、それを力一杯地面に投げ付け、順番待ちしている客達に向かって大声で怒鳴った。

 

「テメェらいい加減にしろょ!! 今日はもう、止めだ! 止めだ!! テメェらなんかのためなんかにゃ、金輪際、店は開かねぇからな!!

 

「え!?

 

ポチはその店の店長だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#23 『定食屋』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#24 『疑問2

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

有栖川呑屋コマル・・・当ブログ管理人

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチがお家の近くの神社のお祭りで、アルバイトをしていた。

幟(のぼり)を立てての露店商だ。

その幟にはこう書かれてあった。

 

『オメェらの疑問、なんでも答えてやるぜ。 料金は2問でたったの1万円ポッキリょ!!

 

そこにたまたまコマルが通り掛った。

ポチの露店に気が付いた。

掲げてある幟を見てコマルが聞いた。

 

「オィ! ポチ!!

 

「オゥ!? コマルかぁ!? なんだぁ?」

 

「お前、そんなトコで何やってんだぁ?」

 

「見りゃ、分かるだろ。 露店商だ」

 

「あぁ、それは分かってんだヶどもょ。 2問で1万円はチョッと高くねぇか?」

 

「オゥ!! 勿論、たけぇぜ!!]

 

「だょな」

 

「オゥ! そうだぜ!! 俺様もそう思うぜ。 ヶど、2問で1万円はやっぱ2問で1万円だ」

 

「ふ〜ん。 それで客、来るとは思えねぇヶど・・・な。 ま!? しっかりやれゃ」

 

「オゥ!!

 

「んじゃな、ポチ。 又な」

 

そう言って、コマルがその場を離れ掛けた。

するとポチが、

 

「オィ! コマル!!

 

コマルを呼び止めた。

 

「なんだぁ?」

 

コマルが振り返った。

そのコマルにポチが手を差し出して言った。

 

「ホィッ!! 2問で1万円だぁ。 よこせ!!

 

「え!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#24 『疑問2』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#25 『騎士』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

死神・苦竜(クリュウ)

 

 

 

 

 

 

ある時・・・

 

 

ポチはアリスからヨーロッパの中世の騎士達の物語りを聞いた。

ポチはその騎士達をカッコいいと思った。

そのため騎士に憧れるようになっていた。

話し方から礼儀に至るまで、何にから何まで真似するような始末だった。

 

そんなある日・・・

 

ポチはお腹がペコペコだった。

たまたま目の前を一匹のネズミが通り掛った。

ミッキーマウスだった。

 

「ヨッシャー!! 飛んで火にいる夏の虫!!

 

とばかり、ポチがそのミッキーに襲い掛かった。

そして、

 

「あ!?

 

と言う間にミッキーを打ち倒した。

倒れたミッキーの上でマウントポジションを取り、ポチがミッキーを食い殺そうと牙をむいた。

その瞬間、ポチのお顔にミッキーが唾を吐き掛けた。

すると、ナゼかポチはミッキーの上から下り、倒したはずのミッキーを放してしまった。

ミッキーマウスは振り返りもせず、脱兎(だっと)の如く走ってその場から一目散に逃げ去った。

その一部始終を見ていた苦竜がポチに聞いた。

 

「ナゼ逃がしちまったんだ?」

 

ポチが答えた。

 

「今日これから、俺様はフグスマのポール・モリヤ教会に行くんだ。 アリスと一緒に神様に会いにな。 だからだ」

 

「ん!? 意味が分らん」

 

「ヤツが俺様のこの美しいお顔に唾を吐き掛けやがったんで、その怒りでヤツを食い殺しちまう事を恐れたんだ」

 

「ナゼ?」

 

「あぁ。 その理由(わけ)、それはなぁ・・・。 神の御目のもと、汚れなき時にのみ我は獲物を食い殺す」

 

二本足で立ち上がり、背筋をピッと伸ばし、右手を心臓の位置に置き、ポチが決め台詞を吐いた。

 

その瞬間・・・

 

「グゥ〜」

 

ポチのお腹が鳴った。

透かさずポチは思った。

 

『し、しまった!? に、逃がすんじゃなかった』

 

って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#25 『騎士』 お・す・ま・ひ