#26 『某・医院にて』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

医者

 

 

 

 

 

某・医院にて・・・

 

 

ポチが医者に現在の症状を言った。

 

「俺様、この頃、目が悪くなっちまったんだ。 そんで今日、見てもらいに来たって訳だ。 チョッと見てくれ」

 

「否、その必要はありませんょ」

 

「そんな事言うんじゃねぇょ。 な。 チョッと見てくれょ」

 

「その必要はありません!

 

「ねぇこたぁ、ねぇだろ。 な。 ケチくせぇ事言わず、見てくれょ。 な、見てくれょ」

 

「その必要はありません!!

 

「その必要、なくはねぇだろ!! 患者が目が悪(わり)ぃ、っつてんだから、目が悪ぃんだ!! だからー! 四の五の言わず、見やがれー!!

 

「いえ、目ではなく、アナタは頭が悪いんです」

 

「な、何だとぅ!!

 

「誰がなんと言おぅと、悪いのは目ではなく、アナタの頭です」

 

「い、言わしておけば・・・。 こ、このヤブー!!

 

「うちは歯医者ですょ」

 

「え!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#26 『某・医院にて』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#27 『あの噂』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

有栖川呑屋コマル・・・当ブログ管理人

 

神様

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチとコマルがお喋りをしていた。

 

「なぁ、ポチ」

 

「ん!? なんだぁ、コマル」

 

「あの噂ホントぅか? あの噂?」

 

「あの噂?」

 

「あぁ、あの噂。 お前が、 『むか〜しむか〜し、神様に願い事かなえてもらった』 っていう噂」

 

「あぁ、あれかぁ」

 

「あぁ、あれだぁ」

 

「ホントだぜ」

 

「ホントにホントか?」

 

「あぁ、ホントにホントだ」

 

「なら、教えてくれ。 どんな願い事かなえてもらったんだ?」

 

「三つの願い事だ」

 

「三つの願い事?」

 

「あぁ、そうだ」

 

「どんな事、願ったんだ?」

 

「知りてぇか?」

 

「あぁ、知りてぇ」

 

「ぅんじゃ、教えてやる。 あのなぁ」

 

「おぅ」

 

「一つ目は、 『俺様の目の黒い内に残り二つをかなえてくれ』 だ」

 

「フムフム。 で!? 二つ目は?」

 

「『俺様が年取る前に三つ目をかなえてくれ』 だ」

 

「フムフム。 で!? 三つ目は?」

 

「ウム。 まだ言ってね」

 

その時・・・

 

天から神様の切な〜い声が聞こえて来た。

 

「頼むから、早ょう三つ目を言ぅてくれ!! 一体、何万年待たせる気じゃ!!

 

って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#27 『あの噂』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#28 『算数のおべんきょ1』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

田原アリス・・・ポチの飼い主

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

「ねぇ、ポチ」

 

「ん!? 何だ、アリス?」

 

「退屈だから算数のおべんきょ、しよっか?」

 

「算数のおべんきょ?」

 

「そ」

 

「おぅ、いいぜ。 ヶど、どんな?」

 

「うん。 簡単な計算問題」

 

「良し!! 言ってみな、解いてやっから」

 

「うん。 じゃ、行くね」

 

「おぅ、来い」

 

「それじゃっと・・・。 ポチがリンゴを10個持っています」

 

「フムフム。 リンゴ10個な。 リンゴ10個、俺様がと」

 

「苦竜が3個くれと言いました」

 

「フムフム。 苦竜が3個な、苦竜が3個くれと」

 

「残りは幾つですか」

 

「なんでぇ、簡単じゃねぇか」

 

「なら、幾つ?」

 

10個」

 

「え!?

 

10個」

 

「何で?」

 

「『何で?』 も何もね。 苦竜なんかにゃ、俺様、イッコもやんねぇからだ。 だから10個」

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#28 『算数のおべんきょ1』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#29 『算数のおべんきょ2』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

田原アリス・・・ポチの飼い主

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

「ねぇ、ポチ」

 

「ん!? 何だ、アリス?」

 

「退屈だから算数のおべんきょ、しよっか?」

 

「算数のおべんきょ?」

 

「そ」

 

「おぅ、いいぜ。 ヶど、どんな?」

 

「うん。 簡単な計算問題」

 

「良し!! 言ってみな、解いてやっから」

 

「うん。 じゃ、行くね」

 

「おぅ、来い」

 

「それじゃっと・・・。 ポチがリンゴを10個持っています」

 

「フムフム。 リンゴ10個な。 リンゴ10個、俺様がと」

 

「苦竜が3個くれと言いました」

 

「フムフム。 苦竜が3個な、苦竜が3個くれと」

 

「残りは幾つですか」

 

「なんでぇ、簡単じゃねぇか」

 

「なら、幾つ?」

 

10個」

 

「え!?

 

10個」

 

「何で?」

 

「『何で?』 も何もね。 苦竜なんかにゃ、俺様、イッコもやんね。 だから10個」

 

「う〜ん。 も〜、ポチったらぁ。 算数の事、全然、分ってないんだからぁ」

 

「う〜ん。 ったく〜、アリスったらぁ。 俺様の事、全然、分ってねぇんだからぁ」

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#29 『算数のおべんきょ2』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#30 『腹話術』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

腹話術師

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

某・演芸ホールでポチが腹話術を見ていた。

イヌとネコを対比したネタを披露していた。

 

 『

  イヌは賢い上に人間に忠実で忍耐強い。

  一方、

  ネコはアホでトンマでマヌケな上、自分勝手で我侭(わがまま)だ!!

 』

 

などと言いたい放題だった。

始めは我慢して聞いていたポチだったが、徐々にイライラし始めた。

そして話が進むに連れ、次第に我慢ならくなって来た。

しかし、その腹話術師はネコの悪口を一向に止めようとはしなった。

終にポチが切れた。

 

『ムッ!?

 

っとなって、椅子から立ち上がった。

そして舞台に向かって大声で怒鳴った。

 

「オィ! オメェ!! さっきから聞いてりゃ言いたい放題抜かしやがって、いい加減にしろょ!!

 

そのポチの余りの迫力に圧倒され、

 

「す、済みません」

 

と、一言、謝ったっきり腹話術師は何にも言えなくなってしまった。

当然、演目は中断だ。

するとポチが腹話術師を慰めるように言った。

 

「否、なに・・・。 オメェが恐縮するこたぁねぇんだ。 な〜にもオメェが。 俺様、オメェにじゃなくって、オメェの横にいるそのチッコイのに言ってんだ」

 

「え!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#30 『腹話術』 お・す・ま・ひ