#36 『漢字のおべんきょ』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

田原アリス・・・ポチの飼い主

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチがアリスに漢字の練習帳を使って漢字を教わっていた。

その練習帳は、一番簡単な漢数字から始まっていた。

 

「一、二、三。 ね、ポチ簡単でしょ」

 

「おぅ」

 

「この練習帳見れば、なんでも簡単に書けるようになるょ」

 

「おぅ」

 

「じゃ、アタシこれからママと一緒にお買い物行って来るから、帰って来るまでに・・・。 ントー・・・。 そうだ!! 今年は2013年だから、 “2013” を漢数字で書いてみよっか」

 

2013だな、2013

 

「うん。 2013。 出来る?」

 

「おぅ。 まかしとかんかい」

 

アリスはお買い物に出て行った。

2時間して帰って来た。

ポチに聞いた。

 

「ポチ、出来たー?」

 

「おぅ、もうチョッとだ。 一をあともう10013個書きゃ、出来上がりだ」

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#36 『漢字のおべんきょ』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#37 『試し斬り』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)るニャンコ

 

死神・苦竜(クリュウ)

 

死神・翠旻(スイミン)

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

死神・苦竜が自分の膝の上に乗せた新品の “死神の大鎌” を俯(うつむ)き加減で繁々と見つめていた。

そこへ仲間の死神・翠旻が、たまたま通り掛った。

 

「お!? 苦竜じゃないか」

 

「ん!?

 

苦竜がお顔を上げた。

翠旻とオメメが合った。

 

「おぅ、翠旻か」

 

翠旻が聞いた。

 

「何してんだ?」

 

「いやな、チョッとこれ見てたんだ」

 

「鎌か?」

 

「そうだ! 新品の鎌だ!! どうだ中々の出来だろ。 無双正宗(むそうまさむね)だぜ」

 

「そうみたいだな」

 

「あぁ、そうだ。 だからさっきから、何でもいいから斬りたくて斬りたくて腕がウズウズしてたのょ」

 

「な〜るほど、そういう事か」

 

「あぁ、そういう事だ」

 

ここまで言った時、終に苦竜は我慢し切れなくなった。

 

「やっぱ俺、これからチョッと試し斬りに行って来らぁ」

 

「・・・」

 

苦竜が喜び勇んで人間界に飛んで行った。

その後ろ姿を見送りながら翠旻は思った。

 

『試し斬りかぁ。 わたしも一つ、やって見たいものだ』

 

翌日・・・

 

死神・苦竜が自分の膝の上に乗せた新品の “死神の大鎌” を俯(うつむ)き加減で繁々と見つめていた。

そこへ仲間の死神・翠旻が、又また通り掛った。

 

「お!? 苦竜じゃないか」

 

「ん!?

 

苦竜がお顔を上げた。

翠旻とオメメが合った。

 

「おぅ、翠旻か」

 

翠旻が聞いた。

 

「何してんだ?」

 

「いやな、チョッとこれ見てたんだ」

 

「鎌か?」

 

「そうだ!! 昨日の鎌だ」

 

「試し斬りはどうした? やったのか?」

 

「おぅ。 モチ(勿論)ょ」

 

「で!? どうだった、結果は?」

 

「バッチしょ」

 

「ホゥ〜。 人間を斬ったのか」

 

「ぅんにゃ、人間は斬ってねぇ。 ゆんべは俺が冥土へ送る事になってるヤツぁ、おらんかったからな。 だから代わりにネコを斬ってやった」

 

「ふ〜ん。 ネコをな。 どこのネコだ?」

 

「知らん。 暗がりで良ぅ分からんかったからな。 が!? 多分、野良だ」

 

「で!? 切味は?」

 

「もぅ、最高ょ。 ブヮーンと一閃。 バッサリょ」

 

「そうか。 羨ましい話だ。 わたしも一度、試してみたいものだ」

 

「オメェもか?」

 

「あぁ。 ・・・。 そうだ!? 良かったらその鎌、今夜一晩、わたしに貸してはくれないか?」

 

「いいぞ。 一晩ぐれぇなら構わん。 貸してやらぁ」

 

「サンクス」

 

その晩・・・

 

翠旻が人間界に来た。

たまたまそこにポチが通り掛った。

翠旻はポチとは面識がなかった。

翠旻は思った。

 

『お!? いい所にネコが。 絶妙のタイミングだな。 良し!!

 

そして苦竜から借りた大鎌を振り上げた。

そのまま一気にポチ目掛け、振り下ろした。

 

「とう!!

 

「ギャッ!!

 

ポチが悲鳴を上げた。

翠旻がほくそ笑みながら言った。

 

「ククククク。 上出来、上出来」

 

その時・・・

 

スックとポチが立ち上がった。

それを見て、

 

『ぬ!?

 

翠旻は驚いた。

信じられないというお顔をしている。

その翠旻にポチが怒鳴った。

 

「テメェか!? ゆんべも俺様、殴った野郎は!?

 

「え!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#37 『試し斬り』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#38 『言って欲しくない言葉』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

 

 

 

 

言って欲しくない言葉・・・

 

 

 スポーツ選手 『そろそろ限界ですね』

 

 消防署員 『これは訓練ではない!!

 

 女 『アラサー( around 30 )』

 

 男 『甲斐性なし』

 

 ニューハーフ 『お前はオカマだ!!

 

 韓国人 『お前は韓国人だ!!

 

 日本人 『お前は韓国人だ!!

 

 ・・・

 

 ポチ 『お前はネコだ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#38 『言って欲しくない言葉』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#39 『リアクション』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

 

 

 

 

 

ポチと出会った時のリアクション・・・

 

 

韓国人 「う、う、う、美味そうニダー!?

 

中国人 「う、う、う、売ったら儲かるアルー!?

 

日本人 「う、う、う、うそー!? ネコが喋ったー!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#39 『リアクション』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#40 『図書館にて』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

図書館の男性司書

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチが図書館にやって来た。

大声でそこにいた男性司書に言った。

 

「オゥ! オヤジ!! 牡蠣(かき)フライ定食、一丁!!

 

司書が右手人差し指を唇に当てて小声で言い返した。

 

「シー。 お静かに。 ここは図書館ですょ」

 

「おぅ、そうかそうか。 悪(わり)ぃ、悪ぃ」

 

ポチが納得した。

そして再び、今度は小声で司書にささやいた。

 

「牡蠣フライ定食、一丁」

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#40 『図書館にて』 お・す・ま・ひ