#41 『 NASA にて』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

NASA の研究員

 

 

 

 

 

NASA にて・・・

 

 

この頃、人間の言葉を喋(しゃべ)るニャンコとしてポチは有名になり過ぎていた。

そのため、終に NASA の目に止まってしまった。

NASA の研究員がポチの行動を観察する事になった。

色々テストされた後、いよいよ最後のテストになった。

それは、

 

『密室に閉じ込めたら、一体ポチはどのような行動を取るであろうか?』

 

というものだった。

そしてカギの掛かった普通の部屋に、ポチは入れられた。

10分後、研究員が隣の部屋のカギ穴からポチの様子をそっと窺(うかが)った。

 

すると・・・

 

反対側からポチもこちら側の様子を窺っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#41 『 NASA にて』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#42 『おてまみ』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

鬼気(キキ)・・・魔女の宅急便配達員

 

神様

 

菅直人(かん・ちょくと)

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチはパソが欲しいと思った。

マックの15インチノートだ。

価格コムで一番安い店を探した。

その店の値段は15万円だった。

貯金箱を割って、手持ち資金を調べた。

500円しかなかった。

そこでポチは仲良しの神様に一肌脱いでもらおうと思った。

そして神様宛てに手紙を書いた。

その文面は、

 

『神様。 すまねぇが15万円都合してくれ。 俺様のために』

 

だった。

書き上げるとすぐに、ポチは魔女の宅急便配達員の鬼気(キキ)をアリスのお家に呼び付けた。

そして手持ちの500円の内から送料250円を支払って、神様にその手紙を届けてもらう手配をした。

ところが間違って、首相官邸にこの手紙が届いてしまった。

菅直人がそれを読んだ。

それでなくてもパーの直人。

周りから首相の座を下りろ下りろと五月蝿(うるさ)く言われ、落胆と憔悴の余り思考能力が全くなくなっていた。

そのため文面をよく確かめもせず、ポチに現金書留で金を送ってよこした。

ポチが届いたその現金書留の封を開いた。

 

瞬間・・・

 

ポチの目が点になった。

一通の便箋と15円しか入ってはいなかったのだ。

思考能力を全く失っていた直人が、15万円を15円と勘違いしたのだった。

便箋にはこう書かれてあった。

 

『ご希望の物です。 日本国総理大臣・菅直人』

 

と。

 

これを読み、怒り心頭に発したポチが再度、神様宛てに手紙を書いた。

再び、魔女・鬼気を呼び付け、手持ちの残りの金250円を支払って神様にその手紙を届けさせた。

今度はチャ〜ンと神様に届いた。

神様が封を切り、その手紙を読んだ。

こう書かれてあった。

 

『サンクス、神様。 でもょぅ。 アンタが直に送ってよこさず直人を通したせいで、例によってあの強欲野郎、このネコの俺様から14万と9,985円もネコババしやがったんだぜ。 チッキショー!! だからょぅ、ヤツに正義の鉄槌を下してくれ』

 

これを読み、神様は思った。

 

『意味分らん』

 

って。

 

でも〜。

 

ナゼか次の日・・・

 

菅直人は退陣した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#42 『おてまみ』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#43 『毒蛇』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

キングコブラ・・・ポチの友達

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチとその友達のキングコブラが仲良くお喋りをしていた。

かなり盛り上がっていた。

だが、

突然、コブラが話を変えた。

 

「あのょー、ポチー!?

 

「なんだぁ?」

 

「俺ら・・・。 毒蛇って言われてっヶど、ホントに毒持ってんのかなぁ?」

 

「持ってんじゃねぇのか、毒蛇なんだからぁ」

 

「だょな。 持ってるょなぁ」

 

「っと、思うぜ。 でも、なんで急にそんな事聞くんだぁ?」

 

「おぅ。 それなんだがな。 チョッと気になる事があったんでな」

 

「気になる事ぉ?」

 

「おぅ」

 

「気になる事ってなんだぁ?」

 

「あぁ。 さっき、俺なぁ」

 

「おぅ」

 

「チョッと舌、噛んじまったんだ。 そんでなぁ、毒もってたらチョッとヤベェかなって・・・」

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#43 『毒蛇』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#44 『ペンションにて』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

有栖川呑屋コマル

 

ペンションのコンシェルジュ

 

 

 

 

 

とあるペンションにて・・・

 

 

そこにポチとコマルが泊まりに行った。

ポチを見てコンシェルジュ(ホテル等の接客係)が言った。

 

「申し訳ございません。 当方はペットのご同伴はご遠慮頂いております」

 

これを聞き、ポチがコマルに言った。

 

「だとょ、コマル。 つー事は、ここは俺様だけしか泊まれねぇみてぇだな。 だからょぅ、オメェは他所(よそ)当れや」

 

「おぅ。 そうすらぁ」

 

「え!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#44 『ペンションにて』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#45 『 Let's speak English 1

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

田原アリス・・・ポチの飼い主

 

有栖川呑屋コマル

 

外人のオッサン

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

アリスとポチとコマルが道を歩いていた。

すると一人の外人のオッサンと出合った。

道でも聞きたかったのだろう、そのオッサンが話し掛けて来た。

まずアリスに聞いた。

 

Excuse me. Do you speak English?

 

「・・・」

 

アリスは何も言えず、お顔を真っ赤にして俯(うつむ)き、ただ恥ずかしそうにモジモジしているだけだった。

アリスのその姿を見て、オッサンはあきらめた。

そして横にいるコマルに同じ事を聞いた。

 

Do you speak English?

 

それを聞き、コマルが興奮気味に言った。

 

「ヤ、ヤンキーだ!? ヤンキーのオッサンだ!?

 

って。

 

コマルのそのリアクションを見てコイツにも英語は通じないと思ったのだろう、再び、オッサンはあきらめた。

バツが悪いのでそのまま立ち去ろうとした。

が、

ふと見ると、ポチが見上げているのに気付いた。

ポチと目が合った。

ポチが言葉を喋るネコとは知らず、又、バツの悪さを隠すため、何気(なにげ)にオッサンが話し掛けた。

 

Do you speak English?

 

すると真顔でポチが答えた。

 

Yes

 

これを聞き、オッサンは驚愕した。

そして目を真ん丸くして、一気に捲(ま)くし立てた。

 

Oh, my God!?  Cat's speaking!?  You, really a cat?  What'your name?

 

もう一度、ポチが真顔でこう答えた。

 

Yes

 

「・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#45 『 Let's speak English 1 』 お・す・ま・ひ