#56 『料亭にて』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

鳩山ポッポ・・・酷俗(こくぞく)  危地害  通称・バカ  『立てば災厄 座れば害悪 知能程度は鳩ポッポ』

 

 

 

 

 

 

ここは・・・

 

 

とある料亭。

それも、とびっきりの超高級料亭。

勿論、庶民など全くお呼びではない。

そこに鳩山ポッポとその取り巻き数人がいる。

国会会期中だというのにだ。

全く道楽者は手に負えない。

そこでポッポ達は、いつものように軽〜いお頭(つむ)に相応しいどうでもいいお喋りをしていた。

 

すると・・・

 

そこに突然、理由もなくナゼかポチが入って来た。

そして、

 

「どっこいしょ」

 

ポッポのすぐ隣りに座った。

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 ・・・

 

ポッポも取り巻きのアホ達も突然の事に声が出せなかった。

そのポッポに唐突(とうとつ)にポチが聞いた。

 

「済まんが、オメェ・・・。 俺様の親を見なかったか?」

 

反射的にポッポが聞き返した。

 

「え!? 俺様さんの親御(おやご)さんを?」

 

「おぅ」

 

更に、ポッポがポチに聞いた。

当然、真顔で。

 

「その俺様さんの親御さんって・・・。 人間ですか? それとも宇宙人?」

 

って。

 

これを聞き、ポチが怒った。

 

「ネコに決まってんだろ! バカ!!

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

 ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#56 『料亭にて』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#57 『ネコ』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

有栖川呑屋コマル・・・当ブログ管理人

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチとコマルがお喋(しゃべ)りをしていた。

コマルが言った。

 

「なぁ、ポチ〜」

 

「ん!? なんだぁ?」

 

「オイラ、いつも思うんだヶどさぁ。 お前ホントにネコなのかぁ?」

 

「あぁ、その事か?」

 

「あぁ、その事だ」

 

「実は俺様も時々、もしかすると俺様ってホントは、ネコじゃねぇんじゃねぇのかなって思う事がある」

 

「それって、いつからだ?」

 

「子ネコん時からだ」

 

「そっかー」

 

「おぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#57 『ネコ』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#58 『取調べ』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

刑事

 

 

 

 

 

取調室にて・・・

 

 

何かの間違いでポチが警察の厄介になっていた。

取調室で尋問を受けていた。

刑事がポチに言った。

 

「素直に吐いたらどうだ? ん!? 楽んなるぞ」

 

その時、

 

「グー!!

 

ポチのお腹が鳴った。

それを聞き、透(す)かさず刑事が言った。

 

「腹減ってんだろ〜。 な。 素直に吐いたらな〜んでも好きなもん食わしてやるぞ」

 

「ホ、ホントか? な、なんでも好きなもんか?」

 

「あぁ。 なんでも好きなもんだ」

 

「神さんに誓ってか?」

 

「あぁ。 神さんだろうが仏さんだろうが、お前の好きなもんに誓ってだ」

 

「そっかぁ。 なら、来年取れるリンゴをくれ」

 

「へ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#58 『取調べ』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#59 『サザエさん』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

サザエさん

 

近所のオバちゃん A

 

近所のオバちゃん B

 

 

 

 

 

ある日・・・

 

 

ポチが磯野家に遊びに来ていた。

サザエさんと一緒に新聞の宝くじ当選番号欄を見ていた。

ポチもサザエさんも連番を十枚ずつ買っていたのだ。

昨日がその抽選日だった。

そしてその日の朝刊に当選番号が掲載されていた。

サザエさんは全滅だった。

 

サザエさんがぼやいた。

 

「ハァ〜。 当りはビリの300円一枚だけかぁ。 仕方ないわね・・・」

 

その時、ポチが呟いた。

 

「俺様は当っちまったぜ」

 

外れてガッカリしていたサザエさんが、気のない言葉を返した。

 

「そぅ。 それは良かったゎね」

 

「おぅ」

 

「で!?

 

「ん!? 『で!?』 って?」

 

「いくら当ったの?」

 

「おぅ。 3億」

 

「そぅ、3億。 それは良かったゎね」

 

「おぅ」

 

「え!?

 

ここで初めてサザエさんは事の重大さに気が付いた。

カッと両目を見開き、あたかもポチの目をにらみ付けるように見つめて、叫んだ。

 

「さささ、3億ー!?

 

「おぅ」

 

「チョチョチョ、チョッとー!! みみみ、見せてー!!

 

ポチが3億の連番券3枚をサザエさんに差し出した。

サザエさんが宝くじの番号と当選番号を何度も見比べた。

 

「ホホホ、ホントだー!? ホントだホントだホントだー!? ホホホ、ホントに当ってるー!!

 

大声を張り上げた。

 

「ねねねねね、ポチ!?

 

「ん!?

 

「こここ、この券!! アアア、アタシに、ちょちょちょ、ちょうだ〜ぃ!?

 

「ヤダ!!

 

ポチがキッパリと断わった。

 

「そそそ、そんな事言わないで、ねねねねね!! アアア、アタシに、ちょちょちょ、ちょうだ〜ぃ!?

 

「ヤダ!!

 

そう言うが早いか、ポチがサザエさんの手から当り券3枚を引っ手繰(たく)った。

そして、

 

「ダァーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

 

素早く走って逃げた。

 

!?

 

欲に目が眩んだサザエさんも負けてはいなかった。

 

「待てーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

 

真剣な表情でポチの後を追った。

勿論、全速力でだ。

サザエさんのその姿を見て、近所のオバちゃん達が話し合った。

 

(オバちゃん A )「まぁ。 サザエさんったら、裸足でかけてったヶど、今日は陽気じゃなかったザマスゎね」

 

(オバちゃん B )「って言うかぁ。 陽気と言うより、妖気ね。 妖気が漂ってたザマスゎね」

 

(オバちゃん A )「まぁ!? それって洒落ザマスかぁ? お上手ザマスこと」

 

(オバちゃん B )「でも、ホ〜ント。 どうしたザマスかしら?」

 

(オバちゃん A )「きっと、あのネコ、お魚じゃなくって・・・。 お宝でもくわえてたんじゃな〜いザマスかしら」

 

(オバちゃん B )「あらっ!? 奥様こそ・・・。 と〜っても、お上手ザマスこと」

 

A B 一緒に)「オー、ホッホッホッホッ。 オー、ホッホッホッホッ。 オー、ホッホッホッホッ。 ・・・」

 

 

 

  お宝くわえたどらネコ

 

  おおっかけ〜て

 

  裸足でー

 

  かけてくー

 

  必死なサザエさん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#59 『サザエさん』 お・す・ま・ひ

 

 

 

 

 

 

#60 『レストランにて』

 

 

【登場人物】

 

ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ

 

田原アリス・・・ポチの飼い主

 

 

 

 

 

レストランにて・・・

 

 

アリスとポチがレストランに行った。

アリスが注文した。

 

「牛タン下さい」

 

それを聞き、ポチが怪訝そうにアリスに言った。

 

「オメェ、よくそんなもん食えるな」

 

「なんでぇ? 美味しいょ、牛タン。 ポチも食べてみたら」

 

「食えっか、そんなもん」

 

「どしてぇ?」

 

「それって、牛の口ん中のもんだろ」

 

「うん」

 

「牛の口から出て来たもんなんか食う気にならん。 きったねぇじゃねぇか」

 

「汚くないょ」

 

「うんにゃ、きったねぇ」

 

「汚くないのになぁ。 じゃ、ポチは何がいいの?」

 

「決まってっだろ」

 

「何?」

 

「卵焼きに」

 

「え!? ポチ、卵焼きがいいの?」

 

「おぅ」

 

「フ〜ン。 卵焼きかぁ。 卵焼きねぇ・・・。 でもね、ポチ」

 

「ん!? なんだ?」

 

「卵ってねぇ」

 

「おぅ」

 

「ニワトリのお尻から出て来るんだょ」

 

「え!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケケケケケ!!

 

 

 

 

 

 

#60 『レストランにて』 お・す・ま・ひ