#66#70



#66 『豪華客船、鯛田肉(たいたにく)号の難破』



【登場人物】


ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ


田原アリス・・・ポチの飼い主


有栖川呑屋コマル・・・当ブログ管理人


大魔神






ある時・・・



アリス、コマル、ポチの二人と1匹が乗っていた豪華客船、鯛田肉(たいたにく)号が難破してしまった。

アリス達は運良く備え付けのボートに乗る事が出来た。

しかし、そのボートにはアリス達の他には誰も乗ってはいなかった。

太平洋にポツンと取り残され、ポチもアリスもコマルも疲労、恐怖、そして先の見えない不安で憔悴し切っていた。

そんな中、ポチが何気(なにげ)に足元を見た。

するとそこに古ぼけたランプが一つ転がっていた。

ポチがそのランプを手に取り、こびり付いていた汚れを拭いていると、突然、そのランプの注ぎ口からモワモワモワと煙が出て来た。

そして見る見るうちにその煙が大魔神の姿に変わった。

大魔神が空中に止まり、ポチ達を見下ろした。


「お前達か、ランプを拭いたのは?」


「お、おぅ」


突然の出来事にビックリ仰天して腰を抜かしていたポチが頷いた。


「ウム。 お陰でここから出る事が出来た」


「そ、それは良かったじゃねぇか」


「ウム。 その礼に、何か願いがあれば一人に一つだけかなえてやる。 なんでもいいから言ってみろ」


それを聞き、即座にコマルが言った。


「い、家に帰りてぇ!!


ポチもコマルに続いた。


「お、俺様も家に帰りてぇ!!


すると、即座にコマルとポチの姿が消えた。

共に、願いがかなって家にもどれたのだった。

残るはアリスだけだった。

ポチとコマルが一瞬にして消えた所為(せい)もあり、不意にアリスは不安にかられ、一瞬、頭の中が真っ白になってしまった。

そのため良く考えもせず、思わず叫んだ。


「ポチとコマルに会いたい」


瞬間・・・


「ピューーーーー!!


ポチとコマルが戻って来た。


その場に・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・再び。。。











「ケケケケケ!!







#66 『豪華客船、鯛田肉(たいたにく)号の難破』 お・す・ま・ひ







#67 『法廷にて』



【登場人物】


ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ


有栖川呑屋コマル・・・当ブログ管理人


検事


裁判官


弁護士






ある日・・・



殺人事件が起こった。

コマルが容疑者として逮捕され、裁判に掛けられた。

ポチも重要参考人として証人喚問を受ける事になった。

弁護士が提出したコマルのアリバイを立証する証拠写真を、検事がポチに示して聞いた。


「アナタも一緒に並んで写っているこの写真が撮影された時、この場所にアナタは確かにいましたか?」


「え!?


「この場所にアナタは確かにいましたか?」


これに対し、法廷という慣れない雰囲気に飲まれ、緊張し切ったポチがしどろもどろの答弁をした。


「た、確かに一緒に写ったのは覚えてっヶど・・・。 そ、そこにいたかどうかまでは覚えてねぇ」


次に検事は、コマルに聞いた。


「アナタはどうですか?」


コマルはもっと酷かった。


「た、確かに並んで撮ってもらったヶど・・・。 お、同じ場所にいたかどうかまでは・・・。 チョ、チョッとぉ・・・」


検事が裁判長に言った。


「今、お聞きになられたように、二人の記憶があいまいでこの写真は確かな証拠としては使えません」


裁判長が言った。


「ウム。 確かにその写真には証拠能力がないと認めます」


弁護士。


「・・・」











「ケケケケケ!!







#67 『法廷にて』 お・す・ま・ひ







#68 『死因』



【登場人物】


ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ


A B C





電車の中で・・・



ポチが電車のシートに座っていた。

目の前に立っている3人のサラリーマン風の男達の話が耳に入った。

眠った振りをして黙って聞いていた。

こんな事を言っていた。


A 「今朝、毎朝読新聞(まいあさよみ・しんぶん)の編集長が自宅で死んでたらしいぜ。 知ってたか?」


B 「あぁ。 朝のニュースでやってた。 自殺したんだってな」


C 「否、他殺の可能性もあるらしい。 相当、恨み買ってた見たいだぜ。 毎朝読新聞」


A 「あぁ。 毎朝読新聞じゃ、ムリねぇな」


B 「そうだょなぁ、捏造ひでぇからな」


C 「報道しない自由とやらもな」


A 「インターネットがなかった時はそれで通用してたんだが、今では全〜部ネットでバレバレ」


B 「ついこの間のフジテレビへの大規模デモも全く報道せず。 あれじゃぁな。 あれじゃぁ、恨み買っても仕方ねぇな」


C 「そぅそぅそぅ。 あれじゃぁ、恨み買っても文句は言えん」


(3人一緒に) 「実(げ)に恐ろしきは・・・人の怨み。 南無阿弥陀仏、無南無阿弥陀仏、無南無阿弥陀仏」


これを聞き、ポチは思った。


『恨み買っても新聞買ってもらえず。 だから業績不振。 こりゃぁ、間違いなく自殺だな』


って。











「ケケケケケ!!







#68 『死因』 お・す・ま・ひ







#69 『恋』



【登場人物】


ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ


女性看護士 A


女性看護士 B






ある病院にて・・・



A 「アタシ恋しちゃったみたい」


B 「誰に?」


A 「担当の入院患者さんに」


B 「え!?


A 「アタシ、担当の入院患者さんに恋しちゃったみたいなの」


B 「アナタ本気で言ってるの」


A 「えぇ。 本気ょ」


B 「でも、アナタの担当って・・・。 田原さん家のポチでしょ」


A 「うん」











「ケケケケケ!!







#69 『恋』 お・す・ま・ひ







#70 『滑走路』



【登場人物】


ポチ・・・アリスのお家の人間の言葉を喋(しゃべ)る超・高ビーな天才ニャンコ


有栖川呑屋コマル・・・当ブログ管理人






飛行場にて・・・



ナゼかポチはパイロットだった。

ジャンボジェット機を操縦していた。

目的地の空港に近付いた。

着陸しようと思って滑走路を見た瞬間、驚きの余りポチはパニックに陥ってしまった。

即座に、無線で管制官を怒鳴りつけた。


「バ、バッカヤロー!! オメェんトコの滑走路は、な、なんて短けぇんだー!! こ、これじゃぁ、着陸出来ねぇじゃねぇかー!!


それを聞き、今度は管制官が驚いた。


「え!?


ナゼかそこの管制官はコマルだった。

驚いて、コマルがポチに聞いた。


「そ、そんなに短かいですか?」


再び、ポチがコマルを怒鳴り付けた。


「当ったりめぇだ!? この滑走路! 長さがた〜ったの100メートル位っきゃ、ねぇじゃねぇか!! 幅は何キロもあんのに!!


これを聞き、コマルもパニクった。


「し、しまった!? あ、あれは・・・。 は、幅だったのか!? 長さじゃなくって・・・」


って。











「ケケケケケ!!







#70 『滑走路』 お・す・ま・ひ