怨霊バスター・破瑠魔外道 外伝 『百歩雀拳参考動画C』



百歩雀拳は、 こ ・ ん ・ な ・ カ ・ ン ・ ジ ・ ???


百歩雀拳のイメージがイマイチ湧かない “アナタ” のために。。。


百歩雀拳 “参考” 動画 DEATH ↓



カメハメ波C http://www.youtube.com/watch?v=x1RDhI5J2MM



【一言コメント】


可愛いよ。。。


ほほほ。。。




怨霊バスター・破瑠魔外道 外伝 『百歩雀拳参考動画D』



百歩雀拳は、 こ ・ ん ・ な ・ カ ・ ン ・ ジ ・ ???


百歩雀拳のイメージがイマイチ湧かない “アナタ” のために。。。


百歩雀拳 “参考” 動画 DEATH ↓



カメハメ波D http://www.youtube.com/watch?v=NREpRKYPUts&feature=related



【一言コメント】


アイデア賞・・・・・・かな?






#86 『消えた蝦蟇法師』の巻




解説しよう。



知っての通り、外道の腹部にはまだ、蝦蟇法師のエネルギーの一部が付着していた。

蝦蟇法師の意のままに操(あやつ)れるエネルギーが。

蝦蟇法師はそれを使ったのだ。


つまり、

憑依(ひょうい)していた番人から離れた直後、

外道が百歩雀拳を放つ直前、

そのエネルギーを使って思いっきり外道を突き飛ばしたのだ。

だから外道は、百歩雀拳を放てないまま逆に大きく後ろへ吹っ飛んだのだった。




『な、何が起こったんだ?』


外道には今の状況が全く理解出来なかった。

全く理解出来ぬまま、暫(しば)し呆然としていた。


だが直ぐに、


『ハッ!?


我に返り、急いで起き上がった。

そして蝦蟇法師を見た。

蝦蟇法師は影留めを食らった状態のままだった。


だが、

蝦蟇法師の眼(まなこ)に生気がない。

それどころか立ったまま、右足を大きく蹴り出した状態のまま、例の病的大鼾(いびき)を掻(か)きながら眠っている。

目を見開いて眠っている。


「グォー、グォー、グォー、・・・」


蝦蟇法師が、

否、

井戸の番人の大男が立ったまま、目を大きく見開いて眠っている。

その姿は、

最早(もはや)番人が蝦蟇法師の支配を受けていない事を物語っていた。


『し、しまった!?


外道は大急ぎで辺りを見回し、


『ど、どこだ!?


蝦蟇法師のアストラル体を捜(さが)した。


だが、

既に “影” はそこには無かった。

蝦蟇法師のアストラル体と思われる “影” は、

既にそこには・・・


次に外道は、



(スポッ、スポッ、スポッ、スポッ、スポッ、・・・)



素早く五寸釘を地面から引き抜いた。

最後の1本を引き抜くと同時に、



(ドサッ!!



井戸の番人が外道の体に凭(もた)れ掛かるように崩れ落ちた。

外道はその番人の体を受け止め、

ユックリと地面に横たえた。


そして、


静かに立ち上がると、

徐(おもむろ)に顔を上げた。











その瞬間・・・







つづく







#87 『猫足立ち』の巻




(ドキッ!!



外道は仰天(ぎょうてん)した。

目の前の信じられない光景に。

吐き気を覚える程の情景に。

人間の理解を超えた情況に。


そして、



(スタン!!



本能的に一歩後ろに飛び退(の)き、



(サッ!!



反射的に身構えた。


その時外道が無意識にとった構えは、

右足を後ろに引き、

左足は踵(かかと)を地面に付けずにつま先だけを付けている。


空手で言うところの 『猫足立ち』 だった。




解説しよう。


猫足立ちとは?


後ろ足の足先を45度外に向け、全体重をその足にかける。


もう一方の足を半歩前に出し、その足の膝下に足首、爪先(つまさき)を垂直に降ろす。

この時、地面には前足の指の付け根のみが付いていて、踵(かかと)は浮いている。


前足の太股(ふともも)が地面と水平になる様に、後ろ足を曲げる。


尻を後ろに突き出し、自然と前傾する様にする。


両手は、前足側の手が前、後ろ足側の手が後となる。




外道の目は・・・

ある一点。

外道の目前のある一点に釘付けになっている。


その一点から外道は目を逸(そ)らさない。

否、

逸らすことが出来ない。



(ゾクゾクゾクゾクゾク・・・)



外道の背筋(せすじ)に悪寒が走った。


“戦慄(せんりつ)” と言う名の・・・











悪寒が。。。







つづく







#88 『悪夢』の巻




『悪夢』


と言う言葉がある。


●眠っている時に見る嫌な夢

●縁起の悪い夢

●魘(うな)される位恐ろしい夢


というような意味である。


だがそれに加えて、

次のような意味もある。


●とてもこの世の物とは思えない程、凄惨な光景


あるいは、


●そういった事を目撃・経験する事




外道は愕然(がくぜん)としてその場に立ち尽くしていた。

全身が凍(い)て付いていた。


外道は我と我が目を疑った。


『こ、これは・・・!?


外道の目前には信じられない光景が。


『こ、こんな事が・・・!?


外道の目の前5メートルには、

あり得ない情景が・・・

この世の物とはとても思えない情況が・・・

悪夢としか言えない景況が・・・

展開していたのだ。



(ここで重厚な BGM をご想像下さい。 アニメなんかで劇的な変化がある直前に流れる様な重厚な BGM を。 適当に : 作者) 


(ジャジャーン。 ダンドンダンドンダンドン。 ジャジャーン。 ダンドンダンドンダンドン。 ジャジャーン。 ダンドンダンドンダンドン。 ジャン、ジャジャジャジャン、ジャン。 ジャン、ジャジャジャジャン、ジャン。 ジャン、ジャジャジャジャン、ジャン。 ジャン、ジャジャジャジャン、ジャン。 ジャーンジャ、ジャーンジャ、ジャーンジャ。 ジャンジャン。 ・・・)



「フッ。 フフフフフフ。 ウッ。 ハハハハハハ。 ウ、ヮハハハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワッ。 ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」


蝦蟇法師の高笑いだ。

それも凄まじいでかさの笑い声。

その笑い声が庭中に響く。


「フッ。 ヮハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワッ。 ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」


そして、

外道を全く無視して独り言を言い始めた。

それも辺りを震撼させる大声で。

何やら自分一人だけ納得しているような独り言を。


「こ、これが千年蝦蟇法師の真の意味か!? 今やっと分かったぞ。 そうかそうか。 こういう事か。 こういう事だったのか。 これが千年蝦蟇法師か。 これがこれがこれが千年蝦蟇法師様か。 その真の意味か、これが。 今やっと分かったぞ。 今やっと。 そうかそうか。 こういう事だったのか、こういう・・・。 ウ、ヮハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワッ。 ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」


「・・・」


外道は言葉なく立ち尽くしていた。

今、眼前に繰り広げられている信じられない光景に目が点になっていた。


その時、

外道に出来る事と言ったら、

その場で言葉無く、ただひたすら立ち尽くすのみだった。


ただひたすら・・・











愕然(がくぜん)として。







つづく







#89 『真の姿』の巻




「どうだ外道。 これで分かったろぅ。 これが俺の真の姿だ。 この俺様のな。 この千年蝦蟇法師様のな。 フッ。 ワハハハハハ。 ウ、ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワ。 ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」


と、蝦蟇法師が軽〜く言った。

・・・筈だった。


だが、


その凄まじい声量のため、

その声は、



(ビシビシビシビシビシ・・・)



辺(あた)りを震撼(しんかん)させた。


蝦蟇法師の声はまるで巨大なウーハーから出る、辺(あた)りに響き渡る野太い重低音。

そんな感じだった。


「・・・」


外道は言葉が出なかった。

全身に衝撃が走っていた。

驚愕(きょうがく)、恐怖(きょうふ)、狂乱(きょうらん)と言った感情全てが入り混じった衝撃が。

かつて味わった事のない衝撃が。

否、

衝撃と言うより、戦慄だ。


たった今・・・


正にこの瞬間・・・


外道の目の前5メートルの所に、

一匹の、

否、

一頭と言うべきか?


座している状態だけでも身の丈(たけ)3メートルは優に有りそうな “大蝦蟇蛙(おおがまがえる)” が、

前足の指が4本、後ろ足の指が6本の巨大な “四六(しろく)のガマ” が、

時々、流れ行く雲の間から差し込む月光に照らされ、

クッキリとその姿を現したのだ。


その蝦蟇法師のあまりにも予想外の姿に、

いくら一時的に月が雲に隠れて暗かったとはいえ、

それを照らす月明かりがなかったとはいえ、

さすがの外道も全く気付かなかったのだった。


目の前にいたのに。

否、

いた筈なのに。


そして、

その大蝦蟇は、



(デ〜〜〜ン)



と座り、

外道を見下(みお)ろし、見下(みくだ)していた。


勝ち誇った・・・











目をして。







つづく







#90 『神』の巻




蝦蟇法師は言った。

興奮を抑えきれない様子で。

庭中に響き渡る様な大声で。


「どうだ外道。 俺はやったぞ。 ついについについに、俺はやったぞ。 見ょ、外道!! 見ょ、俺を!! 見てみょ、この俺様を!! 良〜く見てみょ。 ついについについに実体化したぞ!! 俺は実体化したんだ!! これ、この通り俺は実体化したんだ!! 俺の、この俺様のアストラル体は、ついについについに実体化したんだ!! フッ。 ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワッ。 ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」




解説しよう。



ナゼ、蝦蟇法師は斯(か)くも巨大に実体化したのか?


そ、れ、は、


蝦蟇法師は今夜、合計3人の人間の肉体を操(あやつ)った。

即ち、

当、

羽柴家の一人娘 『ナナ』。

及び、

井戸の番人2人。

の、

合計3人。


そのため、

自身も知らない内にエネルギーを巨大化していたのだ。


『エネルギーの巨大化』


これを “練気(れんき)” と言う。


これには本来、

長い長い年月をかけた訓練・修練といった物が必要なのだが、

それを蝦蟇法師は、

実に、千年という長きに渡って生き延びて来たその逞(たくま)しい生命力により、

又、人間の肉体を乗っ取って操っている内に、

そして、破瑠魔外道という類稀(たぐい・まれ)な “技の使い手” との死闘を繰(く)り広げる中で、

ホンの1時間足らずで遣(や)って退(の)けてしまったのだった。


自分自身も知らない内に・・・





(ゴクッ)



外道は生唾(なまつば)を飲み込んだ。


その目はまるで、

ハリウッド映画 『エイリアン対プレディター』 の最後の場面で、爆破によって死んだはずの “マザーエイリアン” が、突然、地中から飛び出して来たのを、一瞬、恐怖と驚愕の表情で見つめるプレディターの目のようだった。


そして、

やっとの思いで声を振り絞って外道が言った。

蚊の鳴くようなか細い声で。


「そ、それがお前の正体か?」


それに蝦蟇法師が応えた。

巨大なウーハーから出る重低音のような声で。

興奮冷め遣らずに。


「フッ、フフフフフ。 あぁ。 どうやらそうらしいな。 もっとも俺としてもたった今知ったばかりなんだがな、この俺としても。 だがこうなった以上、あの女の体など最早必要なくなった。 もうどうでも良い。 否。 あの女どころか、この俺の、この俺様の本体ですら必要なくなった位だ。 今更、本体が朽ち果てようとどうなろうと一向に構わん。 今の俺には本体さえ必要ない。 これ、この通り、実体化に成功した今のこの俺様にはな。 エネルギー体を自由に操れるようになった今のこの俺様にはな。 フ。 ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワッ。 ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」


「ば、化け物め」


「フン。 無礼者め。 見ょ、外道!! この俺を。 否、 “ワレ” を。 ワレは、ワレこそは自(みずか)らのエネルギー体を意のままに操(あやつ)れる生命体。 究極の生命体。 即ち、 “神” ゾ。 そうだそうだ、その通りだ。 ワレこそは神なのだ。 ワレこそは絶対者なのだ。 この世の支配者なのだ。 フッ。 ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワッ。 ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」


「神? ふざけた事を。 お前の一体どこが神だ。 その醜(みにく)い姿の一体どこが神だ」


「どこが? どこがだと〜?」


「あぁ。 どこがだ?」


「フン。 決まっておる。 究極の生命体だからょ、ワレが。 ワレこそは究極の生命体だからょ」


「究極の生命体? 究極の生命体だと〜? 蝦蟇蛙の分際(ぶんざい)でふざけた事を」


「フン。 減らず口を。 悔しかったら勝ってみょ。 この俺様、否、ワレに。 ワレに勝ってみょ。 ワレに勝ってから言え、そんな事は。 そんな事はワレに勝ってから言え。 フッ。 ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワッ。 ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」


「あぁ。 勝つとも。 勝ってお前に自分が蝦蟇だという事をもう一度教えてやる」


「フン。 ならば、外道ょ。 どうする?」


「・・・」


「ワレをどうする?」


「・・・」


「この千年蝦蟇法師様をどうする? フッ。 ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハハ。 ウ、ヮハハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワハハハ。 ワッ。 ハ、ハ、ハ、ハ、ハ、・・・」


蝦蟇法師は笑った。

未だ興奮冷め遣らずに・・・











あの重低音の声で。。。







つづく