「第一部」@ 『壱』の巻
昔々、ある所に。
一人のオッサンが住んでいました。
オッサンはスケベでした。
その名を『奥村玄龍斎(おくむらげんりゅうさい)』と言いました。
霊能者と言う噂です。
聞く所によると 『陰陽師(おんみょうじ)』 で、祈祷と占いで生計を立てているとの事でした。
見た目は、
身長175cm
体重0.1トン
の堂々たる体格です。
大黒様のようにフックラとしたお顔をしていますが、若いころはシャープで中々ハンサムだったろうと思われます。
もっとも、今では布袋様のようなお腹ですが。
この人は親切で思いやりがあり、
その上、
とても話し上手だったので誰からも愛されていました。
彼を知るものは皆、尊敬と崇拝と親愛の情を込めてこう呼んでいました。
『玄龍斎先生』
と。
そぅ。
コレはこの、愛と正義とスケベの人。
『奥村玄龍斎先生』 の物語なのです。
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ナンチッテ
「第一部」A 『弐』の巻
玄龍斎先生は何処(いずこ)より来たりて、何処に住するや?
又、その行動様式や如何(いか)に?
・・・誰も知りません。
だが、コレも噂話で真偽の程は定かではありませんが。
奥さんと女のお子さんが一人いらっしゃるそうです。
お子さんに関する情報は、一切ありません。
が!?
その奥さんはと言えば。
普段は、この世に二人といないであろうと思われる程の美人。
貞節にして清楚。
且、教養ある淑女。
だが、
それがひとたび怒れば・・・
怒髪天を突き、百獣の王ライオンを指一本でねじ伏せ、エレファントを一撃で倒し、山姥(やまんば)を一睨みで睨み殺す。
その恐ろしさたるや・・・
ゴルゴン三姉妹の末娘、髪の毛の一本一本が全て蛇で、その恐ろしい目を一目でも正面から見た者全てを石に変えるという、あのメデューサですら目を合わせるのを恐れる程だそうです。
だから、いつの間にか誰彼無く、こう呼ぶようになったと聞いています。
『ゴルゴン奥村』
そうです。
ゴルゴン奥村です。
そして、この聞いただけでも身の毛の弥立(よだ)つゴルゴン奥村の一睨(ひと・にら)みを、
『ゴルゴン奥村の一瞥(いちべつ)』
と名付け、人々は皆恐れたのでした。
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ナンチッテ
「第一部」B 『参』の巻
奥様の名前は 『タバサ』。
旦那様の名前は 『ノーターリン・奥村玄龍斎(おくむら・げんりゅうさい)』。
一見。
ごく普通の二人は、
ごく普通の恋をして、
ごく普通の結婚をしました。
でも〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
唯一つ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
違っていたのは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
奥様は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
『もしかして・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ゴルゴン???』
だったのです。
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ナンチッテナンチッテナンチッテ
「第一部」C 『 Rick's Cafe Tokio 』の巻
玄龍斎先生には日課があります。
それは、仕事が終わるとすぐに行きつけの酒場に一人で行く事です。
その名を 『 Rick's Cafe Tokio (リックス・カフェ・トキオ)』 と言う酒場です。
決まって、夜7時に店に入り11時に店を出ます。
『ワイルド・ターキー12年』
しか飲みません。
それを一晩で1本空けます。
それでも顔色一つ変えません。
大酒のみです。
玄龍斎先生はとっても話し上手です。
酒場に入ると、いつも4番テーブルに座ります。
お気に入りのテーブルです。
空いていないと帰ってしまいます。
だから、その店のオーナー店長の 『リチャード・古井(通称・リック)』 が、いつも玄龍斎先生のためにキープしています。
毎日来てくれるからです。
テーブルに着くとすぐに常連客達が集まって、玄龍斎先生を囲みます。
それは、玄龍斎先生が楽しい話をしてミンナを楽しませてくれるからです。
さぁ、そろそろ夜7時です。
玄龍斎先生は、はたして来るのでしょうか?
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ナンチッテ