#11 『ヨッシャー!!』の巻

 

 

「ヨッシャー!!

 

思わず飛び上がってガッツポーズをとるタバサ。 (肉体を持たないもぁもぁのタバサがガッツポーズか? な〜んて突っ込みは入れないでネ : 作者)

 

互いの手のひらを叩き合って喜ぶロビン・バッドフェローとダミアン。 (上のカッコ内参照 : 作者)

 

最後に3人は、抱き合って喜んだ。 (同)

 

それもその筈。

曲がり角を曲がって来たのは、

 

オ ・ ン ・ ナ

 

それも、トビッキリいい女。

しかも、太ももムッチリの超ボインボイン。

マリリン・モンローみたいなヤツだったのだ。

 

「あぁ〜 こいつぁ春から〜 あ 縁起がいいやぁー!!

 

な〜んて見栄を切りたくなる位の上玉だった。

 

タバサは即座にその女の肉体を乗っ取るや、両乳(りょうちち)を両手で下から持ち上げて、腰をエロっぽくクネクネさせながらこう言った。

 

「どっ、おん。 パッ、パー」

 

「・・・。 (生唾ゴックン) エ、エロっぽい!? エェんちゃうか、実に」

 

「ダミアン兄さん。 兄さんはどう、どう思う〜? ゥン?」

 

ダミアンは答えられなかった。

ただ、タバサのエロっぽい仕草と乳(ちち)に見とれていた。

ツゥーっと鼻から血を垂らしながら。

当然、股間がモッコリこいていたのは言うまでもない。

それは、ロビン・バッドフェローも同じであった。 (あのー、度々スマソ。 この辺は “突っ込みなし” でお読み下しぇマセマセ : 作者)

 

調子こいたタバサが、続けた。

 

" I wanna be loved by you, just you nobodyels but you "

 

な〜んて歌っちゃたりもした。

腰をふりふり。

 

「ププッピ ドゥー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

って。

 

 

 

 

 

 

ナンチャッテ

 

 

 

 

 

#12 『タバサの変身』の巻

 

 

「お父上、兄じゃ。 運はワラワ達の見方をしておる。 今がチャンスなのじゃ。 作戦通り、このまま一気に攻撃を開始するのじゃ。 オーホホホホ、オーホホホホ、オーホホホホ、・・・」

 

「何だ何だ!? タバサ!? どうしたどうした!? そのしゃべり方!? お前、何か変だぞ。 キャラ変わってねぇーか?」

 

悪魔ダミアンが驚いてそう言った。

 

「ん!? キャラだー? キャラがどしたってー? エー? ワラワのキャラがどしたって〜〜〜!? エー? どうしたってー? ウォーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!

 

 

(プチッ!?

 

 

た、大変だー!!

タバサが白目をむいて引っくり返ったぞー!!

体がピクピクしているぞー!!

 

急いでダミアンがタバサを抱えあげた。 (もぁもぁのダミアンがタバサを抱えあげるのは、無理。 な〜んていう突っ込みは入れないで下さい・・・ネ。 ね、念力です!! そうですそうです。 念力です。 ダミアンは念力でタバサを抱えあげたのです : 作者)

 

「おいおい、タバサ。 大丈夫か? しっかりしろー!? (振り返って) お、親父(おやじ)さん。 タバサが、タバサの様子が変だぞー、親父さん」

 

「我が息子ダミアンょ。 案ずる事はない。 タバサは大丈夫じゃ」

 

「で、でもょー、親父さん。 こ、これ見てくれ、これー。 タバサのヤツ、白目むいて痙攣してるぞ。 ピクピクしてるぞ。 全然大丈夫じゃねーぞ、全然」

 

「我が息子ダミアンょ。 良〜く聞くのじゃ。 タバサはまだ、乗っ取った肉体と波長が合ってはおらぬ。 だから発作を起こしたのじゃ。 心配はない。 発作が治まれば、又元のタバサに戻る。 ただし、キャラは幾分変わるがな」

 

「幾分変わる? どーいう事だ?」

 

「あぁ。 前の肉体の持ち主のキャラの影響を若干受けるのじゃ」

 

「フ〜ン?」

 

「な、何じゃ? その目は? お、お前、こ、このわしの言う事を信じておらんな」

 

「いゃ、親父さん。 信じる信じないというより、どうせ又、作者の都合なんだろ」

 

「う!? ・・・。 そ、その通りじゃ。 我が息子ダミアンょ。 お前は賢い」 (ス、スマソ : 作者)

 

「ウッ、ウ〜ン」

 

「お!? タバサのヤツ、正気に戻ったようだぞ、親父さん。 (ジッとタバサを見つめて) しっかし、エロっぽい。 ・・・。 ウ〜ム、モッコリ」

 

「ウム。 我が息子ダミアンょ。 お前の言う通りじゃ。 確かにエロっぽい。 ・・・。 ウ〜ム、モッコリ」

 

「ウッ、ウ〜ン。 ・・・。 ん? ここは何処(どこ)じゃ!? ワラワは誰じゃ!?

 

「しっかりしろ、タバサ」

 

「あ、兄じゃ。 それにお父上も。 ワラワはどうしておったのじゃ? 眠っておったのか? (二人の股間を見て) な、何じゃ何じゃ!? 二人とも。 (二人の股間を順次指差して) そ、それは何じゃ? 何のまねじゃ? よ、よもやワラワが眠っているその隙に、ワラワを・・・」

 

「するわけねーだろ、そんな事。 (小声で) チョッとしたい気もするけど」 って、ダミアンが。

 

「するわけなかろー、そんな事。 (小声で) わしもチョッとな。 うん、わしも」 って、ロビン・バッドフェローが。

 

「本当か?」

 

「あぁ、本当だ」

 

「あぁ、本当じゃ」

 

「なら、いいのじゃ。 (ピンとひらめいて) アッ!? そうじゃそうじゃ。 そんな事よりラー・ゲンリュウサインじゃ。 ヤツをどうするかなのじゃ」

 

タバサは立ち上がりボインボインをプルンプルンさせた。

そして続けた。

 

「このような、期待通りの肉体が手に入ったという事は、今、運はワラワ達に見方しておる。 このチャンスを逃す手はない。 前々からの計画通り 『 (ピー) 作戦』 を実行する時が来たのじゃ。 お父上、それに兄じゃ。 ラー・ゲンリュウサインはワラワに任せるのじゃ。 良いな。 このワラワに任せるのじゃ」

 

「良し、分かった。 我が娘タバサょ。 ヤツはお前に任せた。 わしとダミアンは、一旦魔界に戻り攻撃体制を整える事にする。 来いダミアン。 わしと一緒に来るのじゃ」

 

「OK親父さん。 (振り返って) 用心しろょ、タバサ。 ヤツは抜けてるようでも狡賢い。 万事抜かりなくな」

 

「心得ておる」

 

「我が娘タバサょ。 立派な悪女になるんじゃぞ」

 

「あぁ。 任せておくのじゃ」

 

「ウム」

 

大魔王ロビン・バッドフェロー、悪魔ダミアンは消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

魔界に戻ったのである。

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

#13 『クピド艦隊』の巻

 

 

「司令。 地球より入電です」

 

と、通信士が言った。

 

ここは、魔界軍最強にして最後の艦隊 『クピド艦隊』 旗艦 『キューピー艦』 内部である。

魔界艦隊は全て 『奥村流幻術深深秘秘密奥義・反射衛星方術』 によって壊滅させられていた・・・筈だった。

 

しか〜〜〜し、

 

唯一。

大魔王ロビン・バッドフェローの命を受け、極大マゼラン星雲サンザン太陽系第8番惑星ガミラスプーチン、 その連星イスカンダルビッシュ討伐に赴いていたクピド艦隊は、その存在が奥村玄龍斎達に全く知られていなかったため無傷で残っていたのである。

 

そしてそのクピド艦隊は・・・

 

宇宙の海賊キャプテン・パーロックを従えたデスラーメン総統率いるガミラスプーチン軍、大宇宙の魔女クイーン・エナメルダス援助の下スター・ニシキノシア指揮するイスカンダルビッシュ軍の執拗な抵抗に会い、200年にも及ぶ長い長い戦いの末、たった今、ガミラスプーチン、イスカンダルビッシュ両惑星を制圧し終わったところであった。

 

 

「誰からだ?」

 

クピド艦隊総司令キューピー・チャンが聞いた。

 

「ハッ!! タバサ様からでございます」

 

「良〜し、繋げ」

 

キューピー艦司令塔前面大パネルにタバサが大写しされた。

 

「オォー!? タバサ様」

 

「オォー!? タバサ様」

 

「オォー!? タバサ様」

 

 ・・・

 

司令塔内から一斉に歓声が上がった。

 

「久しぶりだね。 チャン司令」

 

「これはこれはタバサ様には、ご機嫌麗しゅう。 200年ぶりでございますか? 随分と又、お変わりに成られましたなぁ・・・。 して、御用の趣は?」

 

「あぁ。 お前に頼みがある」

 

「頼み? 頼みと申されますと」

 

「ラー・ゲンリュウサインじゃ」

 

「ラー・ゲンリュウサイン?」

 

「お前も知っておろう。 我が魔界軍は、ラー・ゲンリュウサインによってことごとく壊滅させられ、残るはお前のクピド艦隊のみとなり、ワラワと我が乳 否 父、大魔王ロビン・バッドフェロー、それに兄じゃの悪魔ダミアンは、ヤツによって岩に封じ込められてしもうた」

 

「ハッ!! 聞き及んでおりました。 こちらも手一杯だった故、救援にも赴けず、申し訳なく存じております。 タバサ様には良くぞご無事で」

 

「幸か不幸か? 封印を解いた愚か者どもがおってな、ソヤツらのお陰じゃ。 そして、こうして新たな肉体も手に入った。 そこでじゃ。 そこでお前に頼みというのは他でもない、クピド艦隊全艦の主砲 『拡散波動恋愛一直線砲』 を撃ってもらいたいのじゃ」

 

「拡散波動恋愛一直線砲を? 拡散波動恋愛一直線砲を一体誰に?」

 

「決まっておる!! ラー・ゲンリュウサインにじゃ」

 

「ラー・ゲンリュウサインに!? ハッ!! 承知つかまつりました」

 

「ならば、急ぎワラワを地球からソチのキューピー艦に転送するのじゃ。 良いな?」

 

「ハッ!!

 

「急げ!! 急ぐのじゃ!!

 

「ハッ!!

 

タバサが転送された。

 

そぅ。

 

魔界軍最強にして最後の艦隊 『クピド艦隊』 旗艦 『キューピー艦』 に。

 

!?

 

いう事は・・・

 

ここに魔界軍の攻撃態勢が・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

整ったという事である。

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

#14 『方術の稽古』の巻

 

 

「腕を上げたな、玄龍斎」

 

「何の何の。 お主(ぬし)の方こそ、雲竹斎。 どうだ? 少し休むとするか」

 

「あぁ、そうだな。 腹も減った事だしな」

 

玄龍斎が家沙に命じた。

 

「じい。 飯の仕度をするよう家人達に伝えてくれ」

 

「ハッ!! 承知致しました」

 

ここは、奥村家に程近い女木戸(めぎど)という名の丘の上にあるとある神社の境内である。

来るべき決戦に備え、稽古着の袴(はかま)姿の奥村玄龍斎(おくむら・げんりゅうさい)、小磯雲竹斎(こいそ・うんちくさい)、それに社門家沙(しゃかど・いえすな)の3人が各々の門弟達に見守られながら 『奥村流幻術』、『小磯流妙術』、『社門流呪術』 の稽古に励んでいた。

 

「ところで、もう丸三日たったようだが。 ヤツらにはまだ何の動きもない様だな?」

 

雲竹斎が言った。

 

「あぁ。 今のところはな」

 

玄龍斎が応じた。

 

「確かか? 間違いないのか? 悪魔を封じ込めたというあの大岩の言い伝え」

 

「多分な。 我々の先祖が嘘を吐くとは思えん」

 

「ウム。 それもそうだ」

 

そこに家沙がやって来た。

 

「若。 お昼の仕度が出来ております」

 

「おぉ、そうか。 (向き直って) 雲竹斎、考えても始まらない。 まず腹ごしらえだ、飯にしよう。 後はそれからだ」

 

「あぁ、そうだな。 やる事だけやって、当分は様子見とするか」

 

と、ここまで言ったその時、

 

 

(ピッ、コーーーン!!

 

 

雲竹斎は閃いた。

 

「お!? そうだ!! ・・・。 おい、玄龍斎!!

 

「何だ?」

 

「俺の・・・この俺様の新たな必殺技を見たくはないか?」

 

「ん!? 新たな必殺技?」

 

「そうだ」

 

「そんなものがあるのか?」

 

「あぁ、ある!!

 

雲竹斎がキッパリ 『ある!!』 と言い切った。

それを聞き、玄龍斎が姿勢を正し、雲竹斎と正対した。

いつになく表情が、

 

 

(キリッ!!

 

 

としている。

雲竹斎の新・必殺技に興味を覚えたのだ。

そしてそのキリッと凛々(りり)しい玄龍斎が、瞬(まばた)き一つせず雲竹歳の目を見つめながら言った。

 

「良し!! 見せてもらおう」

 

こちらも又、いつになく凛々しい雲竹斎がこう応じた。

 

「ウム。 なら昼食の後に」

 

「あぁ、昼食の後に」

 

「半端なく凄いぞ、玄龍斎。 楽しみにしていろょ。 ワハハハハハ・・・」

 

「おぅ、そうか。 そいつぁ楽しみだ。 ワハハハハハ・・・」

 

笑いながら二人は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

奥村家のダイニングへと向かった。

 

 

 

 

 

 

つづく

 

 

 

 

 

#15 『クピド艦隊発進』の巻

 

 

「1番艦、ワープ準備完了」

 

「2番艦、ワープ準備完了」

 

「3番艦、ワープ準備完了」

 

 ・

 ・

 ・

 

997番艦、ワープ準備完了」

 

998番艦、ワープ準備完了」

 

999番艦、ワープ準備完了」

 

 

「司令。全艦、ワープ準備完了致しました」

 

「ウム」

 

スピーカーを通じて、クピド艦隊全艦に総司令キューピー・チャンの檄(げき)が飛んだ。

 

「タバサ様のご命令が下った。 これより我が艦隊は総力を挙げて、銀河系ハロー(銀河系の腕)部太陽系第3番惑星 『地球』 に突入し、ラー・ゲンリュウサイン一味を撃滅する!!

 

クピド艦隊全艦に緊張が走る。

そこに、再び総司令キューピー・チャンの号令が響き渡る。

 

「目標・・・地球!! 全艦ワープせょ!!

 

ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、

 

ピピピピピピピピ、ピピピピピピピピ、ピピピピピピピピ、ピピピピピピピピ、・・・

 

ボバァ〜〜〜〜!!!

 

ボバァ〜〜〜〜!!!

 

ボバァ〜〜〜〜!!!

 

 ・・・

 

終に、

 

魔界軍最強クピド艦隊が、地球に向け大ワープした。

今正に、我等が奥村玄龍斎軍 魔界軍との想像を絶した 『最後の聖戦』 の火蓋が切って落とされようとしていたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

玄龍斎達の全く預かり知らぬ所で・・・

 

 

 

 

 

 

つづく