第16話
あじーーー!!
あじーよー!!
あじーーー!!
アリスの部屋は暑くてたまらん。
部屋の窓は開いてっけど、クーラー利いてねーからアッチーぜ、全く。
やっぱリビングはいいよなークーラー利いてて。
お!?
美琴のヤツ、まだソーメン食ってやがんぞ。
部屋の隅っこ行って寝よっと。
美琴に見らんねぇようにな。
オットー!?
ここで一つ注意しとかねぇとな。
このブログでは、今は 『平成18年8月半ばチョッと前の東京』 つー設定になっている。
だから最近読み始めたキミ。
「この頃、涼しいじゃねぇか」
な〜んて言ゎねぇように。
暑いんだ!!
そぅ。
今は非常に、
「あじーーー!! あじーよー!! あじーーー!!」
なのだ。
まぁ、一応断って置くぞ。
これも親切心ってヤツだ。
親切心ってヤツな。
って言ってもチョッとしかいねぇんだヶどょ、読者のヤツらって。
「お!? ポチじゃねぇか」
チッ。
みっかっちまたかー。
「お前、二階行ったんじゃなかったのか、二階? お姉ちゃんの部屋」
あぁ、行ったょ。
悪(わり)ぃか?
「おぅおぅ、ポチ」
何だょ?
「暑かったんだろ」
え!?
な、何で分かんだ、何で?
「お前、ホ〜ント分かりやすい猫だなぁ」
そ、そうか。
お、俺様そんなに分かりやすいか?
なんか同(おんな)じ事、さっきママさんにも言われたような気がするぞ。
「おい、バカ猫!!」
何だょ?
「邪魔んなんねぇように隅っこ行ってろょ」
言われなくったって分かってるょ、そんぐれぇ。
チッキショー!?
一々ムカつくヤツだぜ。
ほら、隅っこだ!!
ここなら文句ねぇだろ、ここなら。
そんな事よっか。
おい、美琴!!
俺様に座布団ぐれぇ出したらどうだ、座布団ぐれぇ。
アリスならすぐ持って来てくれんぞ。
こんな感じで。
「はい、ポチ。 座布団だょ。 床の上で寝ると体に良くないょ。 だから座布団の上で寝ようね。 はい、ポチ。 座布団」
アリスならな、アリスなら。
「おい、ポチ」
何だょ?
「ほら、座布団だ。 体にかけて寝ろ。 風邪ひかねぇようにな」
「ドサッ!!」
う!?
こ、このアマー!!
お、俺様に座布団乗っけやがったなー!!
お、重てぇじゃねぇか。
こ〜んな重てぇもん掛けて寝たらたら、寝苦しくって眠れる分けねぇだろ。
そんな事も分かんねぇのか。
しっかし、意地の悪(わり)ぃやっちゃなー、オメーってヤツゎょー。
ホ〜ント感心しちまうぜ、その意地の悪さ。
ホ〜ント。
あ!?
ピッ、コーーーーーン!!
そうか!?
閃いちまったぜ。
この上に乗りゃ良いんだ、この上に。
ヨッコラショっとー。
おぅ、気持ちいいぜ、楽だし。
いゃ〜、良いもんですなぁ、クーラーの利いた部屋で座布団の上で寝るのは。
いゃ〜、実に良いもんですなぁ。
お陰で快眠できそうですゎ。
お陰で。
ん!?
お・か・げ・?
誰の?
美琴の?
『みー、こー、とー、のー、おー、かー、げー、?』
美琴のヤツがわざわざ座布団持って来てくれたってか、俺様のために。
ウッソだろ。
・・・。
でも、現実にここに座布団があるぜ、現実に。
・・・。
つー事は・・・。
美琴って、もしかしてこの俺様に、ツ、ン、デ、レ?
・・・。
まっさかな。
そんな事あるわきゃねぇょな、あるわきゃ。
あの美琴がこの俺様にツンデレ?
ないない。
・・・。
あの美琴が?
この俺様に?
ツー、ンー、デー、レー?
・・・。
ないない。
・・・。
でも、もしあったら?
・・・。
もしあったら?
おい、美琴!!
オメぇもしかして、俺様のためにこの座布団わざわ・・・
「バカ猫」
へ!?
やっぱ、オメぇはやなヤツだーーーーー!!!!!
第16話 完