第17話
「アーアァー、アァアァ。 アーアァー、アァアァ」
何だ何だ!?
何の騒ぎだ!?
何が起こった!?
何だ!?
「アーアァー、アァアァ。 アーアァー、アァアァ」
又だ又だ!?
何の騒ぎだ!?
何が起こった!?
何だ!?
「アーアァー、アァアァ。 アーアァー、アァアァ」
こ、これは!?
みー、こー、とー、だー!!
チッキショー!!
俺様、折角、良い気持ちで寝てんのにー。
ね、寝込みを襲いやがったぜー。
寝込みをょー。
あ!?
これ洒落ね、洒落。
『寝込み』 んとこ。
寝込み = 猫み
???
ま、どうでも良い事なんだヶどょ。
しっかし、スッゲー声だ。
ターザンの雄叫びだ。
目覚まし時計の 『チリチリ』 なんて目じゃねぇぐれぇだ。
「アーアァー、アァアァ。 アーアァー、アァアァ」
何だ何だ!?
何の騒ぎだ!?
何が起こった!?
何だ!?
チッ!!
ま〜た、反応しちまったぜ。
第3波が来ると分かってんだヶどもょ。
そんでも反応しちまうぜ。
『脊髄反射』
ってヤツだ。
美琴は今、お歌のお稽古をしている。
否、正確には 『声楽の練習』 と言うべきか。
正確(せいかく) ≒ 声楽(せいがく)
これ↑分かってくれたか、これ?
ホントは 『声楽の練習』 つーよっか 『発声練習』 つった方が正しいんだヶどもょ。
発声だとなぁ。
うん、発声だとなぁ。
正確 ≠ 発声
だもんな。
だからな。
だから 『声楽』。
俺様、結構好きでょ、こういうの。
つまり何だぁ。
『駄洒落 = 今、俺様的に流行ってる』
つー事。
これ迄もこれからも。
時々こういうの入れっから、ヨ・ロ・ピ・ク。
ところで美琴だが、発声練習は 『客の間』 でする。
それも窓を全部閉め切って。
雨戸もだ。
声がでか過ぎて近所迷惑になるからだ。
普段は学校の音楽室で練習してるんだが、今は夏休みなので教室を自由に使えないらしい。
苦肉の策だ。
「アーアァー、アァアァ。 アーアァー、アァアァ」
何だ何だ!?
何の騒ぎだ!?
何が起こった!?
何だ!?
あ〜ぁ、又、脊髄反射しちまったじゃねぇか。
これじゃもう昼寝はムリだな。
つー、まー、りー、・・・
無理ーーー!! 無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!
だな。
しかたねぇ、外行くかぁ、外。
オレ様山公園に。
そんな訳で・・・。
ジャン!!
俺様山公園参上。
しか〜〜〜し、
あじーーー!!
あじーよー!!
あじーーー!!
日陰はどこだー!?
どこだ日陰はー!?
今、午後2時前だ。
一番暑い時間だ。
こ〜んな時間に外出しなきゃ何ねぇなんてょ、全く。
な〜んて、つい言ってみたくなる可哀想な、おー、れー、さー、まー、であった。
なんて言ってる場合じゃねぇ。
日陰日陰、日陰ん中、入んなきゃ。
オレ様山公園には大きな木が何本か植えてある。
それぞれの木の下にはベンチがある。
だからベンチは木陰になる。
涼しい時はいつもマダム達が占拠している。
ほとんど全部だ。
で!?
マダム達だがやる事はいつも決まっている。
どうでもいい世間話か、お互いの持ち物の褒めっこだ。
それも感心しちまうぐれぇ白々し〜く。
本気じゃないのが良く分かる。
聞いてて歯が浮きそうだ。
一方、ソイツらのガキ共は砂場やブランコなんかで勝手に遊んでいる。
結構ワイルドだ。
我輩が公園で日向ぼっこをしていると、たまにガキが触りに来る。
我輩は誰かに体を触られるのが大っ嫌いだ。
だからすぐ逃げる。
だが、今日みたいに暑い日はさすがにガキもマダムもいない。
いてもチョッとだ。
だからベンチは空いている。
そしてそのベンチの下は、木陰の日陰でダブルで涼しい・・・筈はない。
で!?
結局。
言いたくねぇんだヶどょー。
やっぱりこうなる。
あじーーー!!
あじーよー!!
あじーーー!!
第17話 完