38話 最終回



今日はじめて知った、

我輩と美琴の話。


美琴と我輩の間にある溝。

浅くはないかも知れない。

しかし、

埋めなければならないし、埋めるつもりだ、我輩。


時間が。

うん。

時間がきっと解決してくれるだろう。

そう思う。

そう信じよう。


今・・・。


アリスは何の屈託(くったく)もなく眠っている。

スヤスヤと眠っている。

運命の羅針盤は、果たしてこのアリス達親子をどこへ誘うのであろうか。

それは、

誰も知らない。

誰にも分からない。


でも、一つだけ。

そう、一つだけ言える事がある。

我輩の願いだ。

そうだ、我輩の願いだ。


大きな声で、そして何度でも我輩はこう言う。


「運命の女神よ!! アリス達親子に幸いあれ!!



 ・・・



「おっはよー!! ポチ」


「目ー、覚めたの一緒だねー!!


「ウリウリウリー。 ウリウリウリー」


「ニャーニャーニャー。 ニャーニャーニャー」 (う!? そ、その 「ウリウリウリー」 って言いながら俺様の額にオメェーのおでこグリグリすんの止めてくれ!! た、頼む、止めてくれ!!


「ほれ、ポチー。 高い高い高〜い。 高い高い高〜い」


「ニャーニャーニャー。 ニャーニャーニャー」 (あ、赤ん坊じゃねぇんだから、その 「高い高い高〜い」 つーのも止めてくれ。 俺様の “アソコ” がオメェの目の前なっちまうだろ。 は、恥ずかしいじゃねぇか。 オ、オメェ “処女” じゃねぇな)


こうして、華麗にして優雅な我輩の一日が今日も又、


『開始』


されるのであった。




アリスのニャンコその名は“ポチ” お・す・ま・ひ




長い間ご愛読(?)頂きました。


『アリスのニャンコその名は“ポチ”』


は、


本日を持ちましてめでたく


『終了』


させて頂く





はずでした。





but





オレ様山公園のオレ様ベンチの上で寝ていた時、ポチの見た


『不気味なおっさん』


の夢。





and





暖かい家族の団欒(だんらん)

楽しい家族の会話。

その時の何気ない美琴のこの一言から、





新たな物語が、





始まった。





「ねぇ、お姉ちゃん」


「何?」


「さっきママがね。 『ポチがアタシ達の言葉理解してるんじゃないかって』 言ったんだヶど、そんなバカな事あるはずないょね」


「あるょ」


「え?」


「あれ、美琴知らなかった?」


「・・・」


「ポチ、あたしたちの話み〜んな理解してるょ。 ね、ポチ」


うん。


「ほら。 ね。 チャーンと分かってるょ」


「エ、エェー!!」 (パパ、ママ、美琴、一斉に)


「ポ、ポチ。 パパの言う事分かってるのか? ん? ホントに分かってるのか? ん? ホントに分かってるなら 『右手』 上げてみなさい。 右手。 ポチの右手」


!?


み、右手?

右手っていうのは、えぇーっとアリスがお茶碗持つのが左手でお箸持つのが右手だから。

こっちか?

ん?

こっちだな。

良し。


ホィ。 (ポチ右手を上げる)


「オ、オォー!!」 (パパ、ママ、美琴、一斉に)


「こ、こんな事が」 (パパ)


「こ、こんな事が」 (ママ)


「こ、こんな事が」 (美琴)


「ホ、ホントにあるのか〜〜〜〜〜!!!!!」 (パパ、ママ、美琴、一斉に)


 ・ 

 ・

 ・


アリスのニャンコその名は“ポチ” Part U 『激動流転編』


気が向いたら、そ・の・う・ち、


『公開』


乞う、ご期待。


でも、

気が向いたらの話ね。

うん。


そぅ。


あー、くー、まー、でー、もー、


き・が・む・い・た・ら・そ・の・う・ち




そ、し、て、・・・。



次回より


Rick's Cafe Tokio


連載


!?


つ・も・り。。。




38話 最終回 完