第7話



良し!!


ミルクも飲んだ、ウンチも済んだ。

さぁ、公園でも行ってくっとすっか。

メリーちゃん待っててね〜、今行くからね〜。


「あら、ポチ」


「にゃー」 (何だいママさん)


「又、公園行くのね? メリーちゃんに会いに」


!?


マ、ママさん知ってたんか。


「駄目よ、エッチな事しちゃ」


エ、エッチな事って。

そ、そんなにハッキリ言うんじゃねーよママさん。

は、恥ずかしいじゃねーか。


「メリーちゃんは山田さんご自慢の血統書付き猫なんだからね」


知ってるよ、そん位。


「オマエは捨てられてた雑種。 それも生ゴミと一緒に」


!?


な、何!?

生ゴミと一緒に!?


俺様、生ゴミと一緒に捨てられてたんか?

つー事はゴミ捨て場にか?

なんてこったい!?


「だからメリーちゃんに変な事しちゃダメなのょ。



つー、まー、りー、・・・



『駄目ーーー!! 駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目駄目ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!


なのょ。 分かったわね?」


!?


それってママさん聞き捨てなんねーな。

そういうのキャベツ じゃなくって 差別って言うんじゃねーのか、サー、ベー、ツー。

人権団体に訴えられんぞ、ママさん。

って、忘れてた。 

俺様、猫だった。

猫にゃ人権はねーよな、人権は。


チッキショー!!


悔しいぜ。


「それと花壇にウンチしちゃ駄目ょ」


!?


そ、それも知ってたんか。

でもょーママさん、いいんじゃねーかウンチは。

肥やしじゃん。

な。

肥やし。


「まぁ、オマエがしたんじゃないとは思うヶど」


俺様だょ。


チョッと我慢出来なくってさぁ、やっちまったんょ〜。

でもょーママさん。

肥やしじゃん。

な。

肥やし。


かー、だー、んー、のー、こー、やー、しー。


だから良いんじゃねぇーかぁ、チョッとぐれぇ。


「こないだ、子供が踏んだって問題になってたからねぇ」


!?


そ、そうかぁ、そういう事があったんかぁ。

いくなかったぜー。


「だから駄目よ、ウンチしちゃ」


うん。

分かったよママさん。

もうしねぇょ。

っていうかぁ、しねぇようにするぜ。


「な〜んて、猫のオマエに言ってもムダょね。



つー、まー、りー、・・・



『無駄ーーー!! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!


ょね」


ムダじゃねーょ。


「分かる訳ないもんね」


それが分かるんだょな〜、ママさん。

ナゼか。


ナゼだ?


「さぁ、行っといで」


『さぁ、行っといで』 って、ママさん。

チョッと心配んなっちまったじゃねーか。

も一遍ウンチしてからにしよっと。


我輩のトイレ位置は・・・。


ここで簡単に田原家の間取りを紹介しておこう。


二階は前にも言ったが六畳、六畳、四畳半だ。

一階は十畳位の立派なキッチン付きのリビングダイニング。

L字型だ。

それに玄関、階段、バス、トイレ、洗面所がある。

玄関は吹き抜けになっている。

ここを上手にリフォームすれば二階にもトイレが出来そうだ。

それと小さい床の間付きの八畳の和室。

これは普段使ってはいない。

客間にしているからだ。

その名も 『客の間』。

そのまんまだ。

名付けの親はパパさんだ。

お茶目なパパさんが、お茶目に付けたと威張っていたが、どこがお茶目か分からない。

どこだ?

ん?

どこがお茶目だ?

教えてくれ。

ん?

どこだ?

そしてリビングの端っこに我輩のトイレがある。


さ〜。


ウンチだウンチだ、ウンチしよっと。




7話 完