深大寺 少年の事件簿 File No.1 『オペラ座の怪人・殺人事件』 #6


 【登場人物】

 深大寺 少年(じんだいじ・すくね) : 16歳 女子高生(1年) チェック柄の短いスカート パンツは白

 金田一 一(きんだいち・イチ) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 知る人ぞ知るあの大天災・迷探偵・金田一 上野介(きんだいち・こうずけのすけ)の孫 IQ180の大天災 否 大天才

 深大寺 公園(じんだいじ・まさぞの) : 深大寺 少年の叔父 民宿『オペラ座館』のオーナー

 深大寺 卒婆(じんだいじ・そば) : 深大寺 公園の妻

 深大寺 霊園(じんだいじ・よしぞの) : 深大寺 公園の長男

 深大寺 深沙(じんだいじ・みさ) : 深大寺 霊園の妻

 死喪田 歌月(しもだ・かげつ) : オペラ座館の客

 名無 美雪(ななし・みゆき) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 金田一 一の幼馴染

 桐生 冬美(きりゅう・ふゆみ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 美雪と同じ花組演劇部員

 他





― 特急列車の中 ―


「うっ、るさいわねー!! 静かにしてちょうだい!! 気が散るでしょうー!!」

って、桐生 冬美が大声でほざいた。

それに驚き、金田一 一と名無 美雪が同時に言葉に詰まった。

「ウッ!?」

「ウッ!?」

って。


(キッ!!)


一瞬、イチ達を睨(にら)んでから、冬美は再び台本に目を落とした。
その冬美に聞こえないよう注意しながら、イチが美雪にそっと耳打ちをした。

「だ、誰!?」

って。

そしたら美雪も小声でイチにほざいた。

「冬美・・・桐生 冬美ょ。 花組2年の。 あたし達と同じ花組演劇部の部員ょ」

って。

「フ〜ン。 なんか荒れてんな。 ひょっとしてあの日か?」

「バカ!?」

な〜んつー、つまんない会話が続く。

そ、こ、へ・・・


(にゅ〜)


イチと美雪の座っているボックスシートの背後から、一人の若いアンチャンが顔を出した。
ソヤツは御不動山高校花組の3年生で、この花組演劇部部長、そして今回の演目『オペラ座の怪人』の主役・怪人エリックを演ずる事になっている御布施 光彦(おふせみ・みつひこ)だった。

御布施 光彦は、痩せ型で背は高め、178〜9cm位か。
ハンサムだが少々バカっぽい。
“前髪長めのボッチャン刈りのセンター分け”っぽい髪形をしている。

その御布施が美雪にほざいた。

「美雪も来いょ。 一緒に花札やろうぜ!!」

って。

「うん」

一言頷いて、美雪がイチに声を掛けた。

「イッチャンどうする?」

「ワシゃ、行かん。 ここで寝とる」

「そ。 じゃ、あたし行くね」

「・・・」

美雪が御布施達のいる一つ後ろのボックスシートに移った。
その美雪に御布施が小声で聞いた。

「美雪!? やっぱさぁ、なんでアイツなんだ? 他にもいるだろ、手伝ってくれそうなの・・・」

「え!?」

「良く良く考えたらさぁ、アイツはグータラでアホなダメ男で有名ジャン。 なんでアイツなんだ?」

「そ、そんな事。 今更言われても・・・」

「だってさぁ、アイツは・・・」

「せ、先輩!? それ以上、言わないで下さい。 イッチャンはあたしが頼み込んで、やっと来てもらったんですから・・・」

「・・・」

「第一、『アイツはグータラでアホなダメ男で超ーーー!!!!!有名だ!!!!!』なんて事、イッチャンが聞いたら気を悪くしちゃいます」

「こ、こら、美雪!? だ、誰も『超ーーー!!!!!有名だ!!!!!』なんて言ってないって」

この大声のやり取りがイチに聞こえていない訳がなかった。
イチが小声でほざいていた。

こぅ・・・

「もう、充分、気ー悪ぅしとるゎ、ボヶ」

って。。。

そのボックス席には他に、一人のハンサムでメガネを掛けた背の高いガタイのいい男と、一人の小柄で若干小太り気味のオデコの広い女が座っていた。

男は、花組2年の有森 裕二郎(ありもり・ゆうじろう)・・・
女は、やはり花組2年の日高 五里絵(ひだか・ごりえ)・・・

といった。










まだまだ列車の旅は続いている。











つづく







深大寺 少年の事件簿 File No.1 『オペラ座の怪人・殺人事件』 #7


 【登場人物】

 深大寺 少年(じんだいじ・すくね) : 16歳 女子高生(1年) チェック柄の短いスカート パンツは白

 金田一 一(きんだいち・イチ) : 16歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 知る人ぞ知るあの大天災・迷探偵・金田一 上野介(きんだいち・こうずけのすけ)の孫 IQ180の大天災 否 大天才

 深大寺 公園(じんだいじ・まさぞの) : 深大寺 少年の叔父 民宿『オペラ座館』のオーナー

 深大寺 卒婆(じんだいじ・そば) : 深大寺 公園の妻

 深大寺 霊園(じんだいじ・よしぞの) : 深大寺 公園の長男

 深大寺 深沙(じんだいじ・みさ) : 深大寺 霊園の妻

 死喪田 歌月(しもだ・かげつ) : オペラ座館の客

 名無 美雪(ななし・みゆき) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 金田一 一の幼馴染で花組演劇部員

 桐生 冬美(きりゅう・ふゆみ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 御布施 光彦(おふせみ・みつひこ) : 18歳 私立御不動山高校花組3年生 花組演劇部員 怪人・エリック役

 有森 裕二郎(ありもり・ゆうじろう) :  17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 日高 五里絵(ひだか・ごりえ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員





片側2人掛けの対面式ボックスシートに座っている有森、日高の2人と御布施、そして美雪の4人で花札が始められた。
と言ってもゲームではなく、それを使って御布施が手品を始めたのだ。

「ホレッ!? 五里絵が今引いた札は・・・コレ!! だろ?」

御布施が然(さ)も得意げに札を一枚、五里絵の前に差し出した。
御布施は今、目隠し状態で五里絵の引いた札を言い当てたのだった。
よくあるトランプ手品みたいに。

「すっごーい!? なんで分かっちゃったんですかぁ?」

五里絵がカワイコぶって大袈裟に驚いた。
そこはそれ演劇部の部員だけにカワイコぶって大袈裟に・・・だった。

「ま!? チョッとした超能力ってヤツかな。 エヘヘへへ」

御布施が自慢気だ。

「美雪もどうだ? 一枚引いてみないか? バッチリ当ててやるぜ」

自信タップリに御布施がほざいた。

「え!? あたし?」

「そ」

「なら、あたしはコレ・・・を、っと」

美雪が御布施の手の中の花札の山の中から札を1枚、引き抜いた。

その時、

「あ〜ぁ、くっだらねぇーの」

声が聞こえた。
イチの声だった。


(にゅ〜)


今度はイチが前のボックスから美雪の肩越しに顔を出していた。
そして美雪の手にしている札を指差した。

「その札の角(かど)っこ、良っく見てみ」

「ん!? 角っこ?」

美雪が順次、札の四方の角(すみ)に目をやった。
その内の一つに目が止まった。

「あ!? なんかチッチャイ印がある!?」

「そ。 それでその札が何か分かっちゃうって訳。 ジッツにちゃっち〜〜〜ぃ、仕掛けだね。 超能力でもなんでもな〜い」

「クッ!?」

御布施が唸った。


(ワナワナワナ・・・)


震えている。
そしてほざいた。

「ほぅ、俺の手品にケチ付けるたぁ、なかなかいい度胸だ。 するってぇと何か、オメエもなんか出来るってぇのかぁ・・・ぁん?」

って。

「もち(勿論)」

イチが自信タップリに答えた。

「なら、なんかやって見せてくれょ」

「オッケ」

イチが御布施の側に移動した。
座席は御布施、美雪、五里絵、有森の4人が座っていて全部埋まっているため、


(ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン、・・・)


揺れる列車の通路に立ったまま、

「じゃ、この札借りるょ」

そう言うや否や、


(サッ!!)


イチが御布施の手の上の花札を素早く引っ手繰(ひったく)った。

瞬間、

「ウッ!?」

その素早さに、御布施は驚いた。
イチの手の動きが全く見えなかったのだ。

同時に、


(サッ!!)


美雪の持っていた札も手に取っていた。

勿論、

「ウッ!?」

御布施同様、美雪も仰天するような素早さで。

それから御布施にイチが挑戦的に言った。

「この中から好きなの1枚引いて、俺らみんなに見せてみ」

渋々、御布施が1枚引いた。

「これでいいんだな」

御布施が今引いた札をみんなに見せてから、イチに差し出した。
『柳に雨』の札だった。

「あぁ。 ンじゃ、それを一番上に乗せてみ」

イチが花札の山を手にしている左手を突き出した。
御布施がイラッとしながらもそれに従った。
イチが聞いた。

「では質問。 今、この一番上の札はなぁにかなぁ?」

って。

不機嫌さ丸出しの仏頂面(ぶっちょうづら)で御布施がほざいた。

「『柳に雨』の札に決まってんだろ」

って。

「ふ〜ん」

小バカにした様子でイチが一番上の札をめくった。
出た札は『松に鶴』だった。

「お!?」

「お!?」

「お!?」

「お!?」

イチを除く4人が驚いた。
プルプルしちゃいながら御布施が聞いた。

「ぉ、ぉ、ぉ、ぉま〜。 ぃ、今、一体何を・・・。 なら、俺の引いた札はどこに?」


(スゥ〜)


イチが御布施の鼻先に右手を伸ばした。


(パチン!!)


指パッチン、一発、こいた。


(ビクッ!?)


イチのその動きに押されて御布施がチョッと退(ひ)いた。


(スゥ〜)


その退いた御布施の左耳辺りまで、更にイチが右手を伸ばした。
その場で素早く手首を返した。
その瞬間、イチの右人差し指と中指の間に『柳に雨』の札が挟まれてあった。

「お!?」

「お!?」

「お!?」

「お!?」

再び、4人は驚いた。

「やっぱ手品はテクニック勝負っしょ」

勝ち誇ったように御布施に右目で一発、


(パチッ)


ウインクこいてイチがそう言った。
何にも出来ず、イチに小バカにされっぱなしで、御布施は真っ赤なお顔になっちゃっていた。

“プルプルプル・・・”

ってしながら・・・

「・・・」

なんにも言い返せずに・・・










目指す駅はもう直ぐそこである。











つづく







深大寺 少年の事件簿 File No.1 『オペラ座の怪人・殺人事件』 #8


 【登場人物】

 深大寺 少年(じんだいじ・すくね) : 16歳 女子高生(1年) チェック柄の短いスカート パンツは白

 金田一 一(きんだいち・イチ) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 知る人ぞ知るあの大天災・迷探偵・金田一 上野介(きんだいち・こうずけのすけ)の孫 IQ180の大天災 否 大天才

 深大寺 公園(じんだいじ・まさぞの) : 深大寺 少年の叔父 民宿『オペラ座館』のオーナー

 深大寺 卒婆(じんだいじ・そば) : 深大寺 公園の妻

 深大寺 霊園(じんだいじ・よしぞの) : 深大寺 公園の長男

 深大寺 深沙(じんだいじ・みさ) : 深大寺 霊園の妻

 死喪田 歌月(しもだ・かげつ) : オペラ座館の客

 名無 美雪(ななし・みゆき) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 金田一 一の幼馴染で花組演劇部員

 桐生 冬美(きりゅう・ふゆみ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 御布施 光彦(おふせみ・みつひこ) : 18歳 私立御不動山高校花組3年生 花組演劇部部長 怪人・エリック役

 有森 裕二郎(ありもり・ゆうじろう) :  17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 日高 五里絵(ひだか・ごりえ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 他





「おっせーなぁ、緒方先生!?」

私立御不動山学園高等部花組2年、銭湯 浴衣(せんとう・ゆかた)がほざいた。
コイツも当然、花組演劇部の部員であり、その容姿はデブで、チビで、だんごっぱなで、オールバックだ。

ここは、目指す目的地の最寄り駅からタクシーで10分程の、とある港町の漁港。
時は、その日の午前10時ジャスト。

今、名無 美雪他、花組演劇部部員全員が、目的地の合宿場所に行くための待ち合わせ指定場所であるその漁港で、待ち合わせ場所をそこに指定した本人であり、今回の合宿に同行する事になっている花組演劇部顧問で演出家の女教師・緒方 拳代(おがた・けんよ)が来るのを首を長〜くして待っている所だ。
この中には勿論、金田一 一も含まれているのは言うまでもない。

他には、

同じく演劇部員で花組2年の顔も体形もあの馬面(うまづら)惚顔(ぼけがお)の俳優、布施 博(ふせひろし)にソックリな亀谷 修一郎(かめや・しゅういちろう)。
それに、細身で長身長髪、スタイル抜群の超美人だが見るからに性格の悪そうな花組3年でこの部の副部長、そして今回の演目『オペラ座の怪人』のヒロイン(クリスティーヌ・ダーエ)を演ずる事になっている早乙女 京子(さおとめ・きょうこ)もいる。


ントー・・・

今、ここには・・・

イチ、名無 美雪、桐生 冬美、御布施 光彦、有森 裕二郎、日高 五里絵、銭湯 豊、亀谷 修一郎、早乙女 京子、

の!?

トータル・・9人・・がいる・・事になる。(ったくぅ、混乱しちまうぜ:作者)


そ、こ、へ・・・


(ポンポンポンポンポン・・・)


最大15人乗りの真っ白な “アズール415 コンバーチブル” がやって来た。
操縦しているのは民宿『オペラ座館』の経営者の長男、あの深大寺 霊園だ。

アズール415 コンバーチブルの操舵室から姿を現した霊園が、船の上からそこに屯(たむろ)しているイチ達に大声で呼び掛けた。

「私立御不動山高校の皆様ですね?」

「そうだけど、オッサンは?」

イチがやはり大声で聞き返した。
少し距離があるのと潮騒の五月蝿(うるさ)さで、大声で怒鳴り合うように話さないと良く聞こえないのだ。

「オペラ座館の者です。 皆様をお迎えに参りました」

「ウッ、ヒョー! カッチョいー!!」

真っ白なアズールを見てイチが感激してほざいた。

そぅ・・・

イチ達の合宿場所・・・それこそ正に、少年(すくね)が今いる『オペラ座館』なのであった。

そのイチの言った事に対して全員が、

「うんうんうん・・・」

って、小刻みに首を縦に振っている。
みんな同感だったのだ。

す、る、と・・・

「お、 ま、 た」

って、アズールに見とれているイチ達の背後からジッツにエロっぽ〜〜〜い声が聞こえた。

瞬間、


(サッ!!)

(サッ!!)

(サッ!!)

 ・・・


演劇部員全員が一斉に振り返った。

緒方 拳代が立っていた。
スッゲーいい女だった。
しかも牛乳(ぎゅうにゅう) 否 牛乳(うしチチ)。
年恰好は、パット目で見て30前後か?
これは見る者の主観で変わって来そうだ。

抜けるように白い肌。
スラッとした長身で八頭身、恐らく170cm近くあるだろう。
切れ長なのにパッチリおめこ 否 おめめに、スゥーっと通った高い鼻。
黒曜石を思わせる瞳はエロっぽく濡れている。
加えて、上品な輪郭を描いた厚い唇。
エナメル系のリップスティックを使っているのだろう、その唇も股 否 又、濡れているように見える。
それらのパーツがキチンとバランス良く納まっているキュートな瓜実顔(うりざねがお)。
髪はショート。
項(うなじ)を少し刈り上げている。
それが、

「ハッ!?」

と息を飲むほど美しい。

服装は黒いピッチリタイトのミニスカートにやはり黒のタンクトップ姿。
恐らくノーブラなのだろう “乳首” クッキリだ。
それも鮮やかなまでに・・・

「うんうんうん。 ェヘ」(作者)

でも〜、

チョビっと汗臭い。
それは体臭と言うよりも、『待ち合わせ場所に遅れそうなので急いで来たため汗をかいていた』からのようだ。
何せ、今年の夏は例年と比べると酷く暑い。
だからその所為(せい)なのだろう・・・きっと。
ヶどさ、それが返ってエロさ加減を増幅しとらんでもなかったのじゃ〜〜〜。。。

最後に、

このお方様は、ノーパンではなさそうだった。
だってさ、バッチリぱんちぃ・らぃんクッキリなんだも〜ん。

思はず・・・

生唾ゴックンのワチキ 否 その場に居合わせたオス共なのであった。

ウ〜ム・・・










モッコリ。。。











つづく







深大寺 少年の事件簿 File No.1 『オペラ座の怪人・殺人事件』 #9


 【登場人物】

 深大寺 少年(じんだいじ・すくね) : 16歳 女子高生(1年) チェック柄の短いスカート パンツは白

 金田一 一(きんだいち・イチ) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 知る人ぞ知るあの大天災・迷探偵・金田一 上野介(きんだいち・こうずけのすけ)の孫 IQ180の大天災 否 大天才

 深大寺 公園(じんだいじ・まさぞの) : 深大寺 少年の叔父 民宿『オペラ座館』のオーナー

 深大寺 卒婆(じんだいじ・そば) : 深大寺 公園の妻

 深大寺 霊園(じんだいじ・よしぞの) : 深大寺 公園の長男

 深大寺 深沙(じんだいじ・みさ) : 深大寺 霊園の妻

 死喪田 歌月(しもだ・かげつ) : オペラ座館の客

 名無 美雪(ななし・みゆき) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 金田一 一の幼馴染で花組演劇部員

 桐生 冬美(きりゅう・ふゆみ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 御布施 光彦(おふせみ・みつひこ) : 18歳 私立御不動山高校花組3年生 花組演劇部部長 怪人・エリック役

 有森 裕二郎(ありもり・ゆうじろう) :  17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 日高 五里絵(ひだか・ごりえ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 銭湯 浴衣(せんとう・ゆかた) : 16歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 緒方 拳代(おがた・けんよ) : 女教師 花組演劇部顧問で演出家 牛チチ

 亀谷 修一郎(かめや・しゅういちろう) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 早乙女 京子(さおとめ・きょうこ) : 18歳 私立御不動山学園高等部花組3年生 花組演劇部副部長 ヒロイン(クリスティーヌ・ダーエ)役





「イッ、テーーーーー!!!!!」

霊園が大声を上げた。
顔を歪めている。
その横に霊園の妻・深沙がムスッとした表情で立っていた。

霊園は両手で股間を押さえてピョンピョン跳ね回りながら痛がっている。

そぅ・・・

霊園は緒方 拳代の余りのエロっぽさに思わずモッコリしちゃっていたのだった。
無理もない!?
なにせこの緒方 拳代は見た振りは若いが実年齢は既に中年の域に入っていたにも拘(かかわ)らず、まだまだまともな男なら誰しもがすれ違いざまに振り返りたくなる程の美貌の持ち主で、かつて女優を目指した事もあったのだから。
事実、そのあまりの美しさ、エレガントさ故に、彼女がまだ女子高生の時にスカウトされ、一時期アイドル事務所に所属し舞台女優として活動していた事もあった。
しかし、その彼女が始めてヒロイン役に抜擢された舞台の稽古中、天井から落ちて来た照明器具を右足に受け、怪我をしたのだった。
幸い、大事には至らなかったが、以来、若干ではあったが右足を引きずるようになってしまっていた。
つまり、多少ビッコを引くようになってしまったのだ。
もっとも傍目には、言われなければ気にならない程度だったのだが、生来プライドの高い彼女にしてみれば若干だろうが多少であろうが人前でビッコを引くなど到底耐える事が出来ず、将来を惜しまれながらも一切の芸能活動を止めてしまった。
そして真剣に学業に専念し、加えて持って生まれた天性の音楽・・特にヴァイオリン・・の才能をフルに発揮し、一般受験生と比較して受験準備がかなり遅れたにも関わらず、無名の私大ではあったが音楽大学に見事合格。
大学卒業と同時に音楽の教員試験にパスし、現在に至ったという訳だ。

だから、そんなエロっぺえ女教師・緒方 拳代のセクシー姿を目の当たりにした霊園がモッコリ来るのも無理からぬ事だった。
そしてそのヤンチャなモッコリを深沙が怒って、

“ギュ!!”

って、しちゃったのだった。
それも思いっきしギュって。
玉玉ごと・・・思いっきしギュって。。。

「クッ(苦)!?」

苦悶の表情で痛みを堪(こら)えている霊園であった。
ピョンピョン跳ね回りながら。。。

ここは・・・

民宿『オペラ座館』の客を運送するためのプレジャーボート、最大15人乗りの真っ白な・・・

“アズール415 コンバーチブル”

の!?










甲板の上である。











つづく







深大寺 少年の事件簿 File No.1 『オペラ座の怪人・殺人事件』 #10


 【登場人物】

 深大寺 少年(じんだいじ・すくね) : 16歳 女子高生(1年) チェック柄のスッゲー短〜いスカート パンツは白

 金田一 一(きんだいち・イチ) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 知る人ぞ知るあの大天災・迷探偵・金田一 上野介(きんだいち・こうずけのすけ)の孫 IQ180の大天災 否 大天才

 深大寺 公園(じんだいじ・まさぞの) : 深大寺 少年の叔父 民宿『オペラ座館』のオーナー

 深大寺 卒婆(じんだいじ・そば) : 深大寺 公園の妻

 深大寺 霊園(じんだいじ・よしぞの) : 深大寺 公園の長男

 深大寺 深沙(じんだいじ・みさ) : 深大寺 霊園の妻

 死喪田 歌月(しもだ・かげつ) : オペラ座館の客

 名無 美雪(ななし・みゆき) : 17歳 私立御不動山学園高等部進学科2年生 金田一 一の幼馴染で花組演劇部員

 桐生 冬美(きりゅう・ふゆみ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員 カルロッタ役

 御布施 光彦(おふせみ・みつひこ) : 18歳 私立御不動山高校花組3年生 花組演劇部部長 怪人・エリック役

 有森 裕二郎(ありもり・ゆうじろう) :  17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員 ヒロインの恋人(ラウル・ド・シャニイ)役

 日高 五里絵(ひだか・ごりえ) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 銭湯 浴衣(せんとう・ゆかた) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 緒方 拳代(おがた・けんよ) : 女教師 花組演劇部顧問で演出家 牛チチ

 亀谷 修一郎(かめや・しゅういちろう) : 17歳 私立御不動山学園高等部花組2年生 花組演劇部員

 早乙女 京子(さおとめ・きょうこ) : 18歳 私立御不動山学園高等部花組3年生 花組演劇部副部長 ヒロイン(クリスティーヌ・ダーエ)役





「ウッ、ヒョー―ーーー!!!!!」

イチが大声を上げた。

ここはオペラ座館離れのミニシアター。

イチ達は今、公園、卒婆の出迎えを受け、一通り館内を案内され、その最後にこのミニシアターに来た所だった。
そしてその設備のあまりの素晴らしさに思わず驚嘆の声を上げてしまったのだ。

「いかがですか? お気に召して頂けましたか?」

公園が聞いた。

「予想以上の素晴らしさだゎ」

そのミニシアターの素晴らしさに圧倒され、溜め息を吐く以外声も出せないでいる部員達を尻目に、緒方 拳代がクールに言った。
それもそのはず、今回合宿場所をこのオペラ座館に決めたのは他でもないこの拳代だったのだから。
拳代は、あの冬島 月子(ふゆしま・つきこ)の自殺事件以降の花組演劇部の混乱を収束させるため、又、間近に迫った学園祭の稽古のため、あえて芝居の稽古場を学内ではなく学外、即ち、この場所に決め、学校側の了承も取り付けていたのだった。
もっとも、ホンの3泊4日だけだったのだが、逗留(とうりゅう)は。
それは部員達の気分を変え、連帯感を持たせ、より一層のやる気を喚起させるという目的のためにであり、それ故、学校も異例の OK を出していたのだ、こんな高級な民宿で行なう合宿を。
もっとも、費用は各自持ちではあったが。

その拳代に公園が聞いた。

「良く、ここをご存知でしたね」

「えぇ、昔、チョッと・・・」

一瞬、拳代の言った『昔』という言葉に公園が興味を持った。
自分がここを買い取った前か後か気になったのだ。
反射的に聞き返していた。

「昔?」

「・・・」

しかし、拳代は何も答えなかった。
感慨に浸っているかのようだった。
辛い思い出か何かの。

「・・・」

だから公園も、それ以上の詮索は止めた。

そして、これからここ『オペラ座館』が、まだ事件の傷跡を引きずっている花組演劇部員達の稽古場になるのである。










たったの3泊4日間ではあるが。











つづく