#11#15




『神撃のタイタン』 #11




「実は、とんでもない事が起こっているのだ」


不良が外道に言った。


「とんでもない事?」


外道が聞き返した。


ここは秀吉の屋敷の天守閣・・・つまり応接間。

冒頭の場面の続きだ。


「あぁ、そうだ」


「何だ!? そのとんでもない事というのは?」


不良が若干身を乗り出し、外道の眼(め)を見つめ、チョッと間(ま)を取ってから聞いた。


「ティアマトの話を知っているか?」


「ん? ティアマト?」


「あぁ」


「何だそれは? 何かの名前か何かか?」


「そうだ」


「知らん。 聞いた事もない」


「・・・」


不良が視線を雪に向けた。


「お前は?」


「え!? アタシ?」


「ウム」


「もしかして 『お化けくじら』 のティアマト? あのギリシャ神話に出て来る」


「そうだ」


「うん。 知ってるょ。 くじら座のティアマトでしょ。 星座の本で読んだ事あるょ」


「そうか、知っているなら話は早い」


横から外道が嘴を入れた。


「なんだ? そのくじら座のティアマトってのは?」


雪が外道を見た。

そして、


「あのね・・・」


外道にくじら座のティアマトの神話を語り始めようとした。


だが、


「待て!!


不良がそれを制した。

外道に・・こう・・告げるために。


「それは俺から話そう。 俺が見た事を付け加えてな」


と。











#35につづく。







つづく


参考 : ティアマト(Tiamat)は、古代バビロニア神話の女神であり、全ての神々を生み出した母なる神である。 又、その名は「苦い水(塩水)」を意味する。


この古代バビロニアのティアマトが、くじら座のティアマトと同一かどうかは分かりまへん・・・有栖川呑屋コマル







『神撃のタイタン』 #12




解説しよう。



ティアマトとは何か???



昔々、ズゥーっと昔・・・

!?

大昔。。。


地球のどっかにエチオピアと言ふ名の王国があったのでオジャル。 (今のエチオピアと一緒かどうかは知らん)

その王国をケペウスと言ふ名の国王とカシオペアと言ふ名の王妃が治めておったのでゴンス。

二人の間にはアンドロメダと言ふ、それはそれは美しいお姫様がおり申した。

!?

王と王妃はこの姫を大層溺愛しておったのでアリンス。

特に、王妃の娘自慢はもう病気。


ある時。


娘のアンドロメダに劣らず、自分自身も中々の美人ではあるもののチョビっとオツムの足りない王妃カシオペアが、


「海の精女(ニンフ)ネレイス達は、 『オール美女軍団』 な〜んぞと噂されてはいるけれど・・・。 いーくら何でも〜、超ーーー!! 美形って言われているのみならず、極、極、極上・ナイスバ の!? 誉れ高〜〜〜いワチキ の!? むーすーめー に!? 敵う程ではないわょねー。 オーッ、ホホホホッ! オーッ、ホホホホッ!! オーッ、ホホホホッ!!!


なんぞと、超ーーー!! 超絶、身の程知らずな大娘自慢(おお・むすめ・じまん)こいちゃったため、ネレイス達が大激怒。

自分達のお祖父ちゃんである大海神ポセイドンに言い付けちゃいますたぁ。


「クッ、ヤシィーーー!! ポセイドン様ー、おねげーでごぜえますダー!! あっの、憎っっっっったらしいアマ、なんとかして下さいましーーー!!


って。


す、る、と、


大海神ポセイドンが言ったとさ。


「オッシャー!! まかしとかんかい」


って。


んでもって、

ポセイドンが素早く、

エチオピアに超ーーー!! ビックな津波を放ち、海岸に怪物くんを差し向け、さんざっぱら国土を荒らさせた挙句、


「ネレイス達の怒りを解きてぇか? ん? 解きてぇか? あーーー??? だーったら〜、娘のアンドロメダを怪物くんの生贄に捧げんかい」


つー、何とも恐ろしい要求を突き付けて来ちゃったのですた。 【作者注 : このアンドロメダを生贄にするつーのは、ホントはエジプトの神アンモーンちゅうお方様がおって、そのお方様の命令、あるいは予言つー事になってるらすい。 bu〜〜〜t それだと詰まらんのでポセイドンが要求した事にしちゃいますた】


これには流石(さすが)の王と王妃も大弱り。


「どしたらエェんかのう???」


って、お悩みこいちゃいました。

つー、まー、りー、


「ウ〜ンウ〜ン」


って、オツムを抱え込んじゃったつー訳ね。


す、る、と、


これを聞いた国民が、今度は大激怒。

王と王妃に詰め寄っちゃいますたー。


「な〜にをほざいてやがるーーー!! 姫とー、国とー、どーっちが大事だーーー!? あーーー???」


って。


パーフェクトなまでに困惑すてすまった王と王妃。

いかに国王と言屁ども、例えどれ程、娘を愛しておったとすても、国民に詰め寄られちゃったら致し方なし。

仕方なく姫を怪物くんの生贄にケテ〜ィ。


あぁ、哀れ!?


アンドロメダは怪物くんの生贄に。

な〜んも悪い事しとらんのに・・・


なんかカワイソス。。。


チョッとバッカ、同情こいちゃうワチキであった。











!?







つづく







『神撃のタイタン』 #13




あぁ、哀れ、アンドロメダ!?


その運命やいかに?


愚かな母カシオペアの犯したジッツにツマラン罪を贖(あがな)うため、怪物くんへのプレゼントとして海辺の岩場の岩に鎖で繋がれちゃったアンドロメダ。

その姿を見て、王と王妃は勿論(もちろん)の事、


「姫を生贄にしたらんかーぃ!! こん、ボケがーーー!!


って、ほざきにほざき捲(まく)ってたはずの国民も即座に掌返し、


「おーおー!? 何ともはや、お可哀想に」


な〜んぞと、今になって姫の悲運を嘆くのであった。


一方、


鎖で繋がれたアンドロメダはひっきりなしに涙を流し、逃(のが)れられない岩の上でただ一人、孤独と迫り来る恐怖に打ち震えておったのでオジャった。


しか〜〜〜し、


こんな時には、お、や、く、そ、く。


!?


ヒーロー現る!!


なのじゃった。











!?







つづく







『神撃のタイタン』 #14




ねぇ、みんな〜。


“ペルセウス”


って、知ってる???


ギリシャ神話

!?

出て来るヤツなんだヶどさ。



知らんお人のためにチョビっと解説。



昔々、ズゥーっと昔・・・

!?

大昔。。。


ある所に、


“メドゥーサ”


つー、怪物くんがおったんょ。

メスの怪物くんなんだヶどね。

ゴルゴン三姉妹の末の妹でね、スッゲー化けもんなんょ、コイツったら。


でね、

コイツなんだヶどさ、おっそろすいヤツでさ。

コイツとオメメが合うとね、ホントにアウトなのょ。

つーのもね、コイツとオメメが合っちゃうとね、


「一目合ったその時に、恋の花咲く事もある」


ならぬ、


「一目合ったその時にゃ、ハィ、それまでょ」


な〜んだゎ、さ、これが・・・

だってさ。

チョッとでもオメメが合っちゃうとさ。

『石』 にされちゃうんだょね、これに・・・

そのお顔の余りの恐ろしさのためなんだヶどさ。

うん。


!?


前置き長くなっちゃったんだヶど、何が言いたいかっちゅーとですね。


昔々、ズゥーっと昔・・・

!?

大昔。。。


ペルセウスっちゅー、チョッとカッチョいいアンチャンがですね、大神ゼウスの曲刀(ギリシャ名“ハルペー【 Harpe 】”)と女神アテナの盾(ギリシャ名“アイギス【 Aegis 】”、その英語名“イージス”・・・“イージス艦” の、あのイージスね) と!? 被るとお姿が見えなくなっちゃう、つー、超便利な冥界の主ハデスの兜(かぶと)を使ってね、このメドゥーサちゃんの首、ちょん切っちゃったんだゎさ。


つまり、メドゥーサちゃんを退治しちゃったのねんのねんのねん。

つーこって、このペルセウスのアンチャンはさ、大したヤツでさ。

実は、 『英雄』 なのょ。

ギリシャすんわじゃ。


!?


その後、ペルセウスがさ。

この切り取ったメドゥーサの首をね、その名もキビシスつー、魔法の籠(かご)に入れちゃってさ。

それ持って空飛んでたのね、泥棒の神ヘルメスから借りた “タラリア【 Talaria 】” つー、お名前の翼の付いた空飛ぶサンダル使って。

でもね、そん時・・つまりメドゥーサの首、チョチョ切る時・・使った被るとお姿が見えなくなるちゅうハデスの兜はさ。

それハデスから借りられるように手配してくれた、北風の後ろの国(世界の西の果てにある「ヘスペリデスの園」)に住む不思議なニンフ達(ヘスペリデス) に!? 返しちゃった後だったんょね、残念ながら。

後で後悔するとも知らんと・・・ (この辺のお話は自分で調べてチョ。 ギリシャ神話ね。 うん)


でさ、

玉々 うんにゃ 偶々(たまたま)コヤツがですね、ヘルメスのタラリア履いてエチオピア上空まで飛んで来た時にですね、チラってしたのね、下を。

そしたらですね、ムチムチのムレムレのムンムンが岩に繋がれてたんですね、鎖で。

それもスッゲーーー!! カワユイのが。

し、か、も・・・涙で目が濡れてるヤツが。


コ、コレって・・・


『通にはたまらんナイスなシチュエーションじゃあーりませんか』 


って、思わん?


思うょね、ふ、つ、ふ。。。

お好きなヤツだったら、コレ見ただけで思わず、


『ウ〜ム。 モッコリ』


って、オッキしちまうょね・・・た、ぶ、ん。。。


『あのムチムチを鞭打ちしてー!! ピシッ!! ピシッ!! ピシッ!!


って、思って。


で、さ。

ペルセウスはさ、一目惚れこいちゃった訳なんょ、アンドロメダに。

で、大急ぎでね、そばに寄って聞いたんょ、アンドロメダに、事情を、鎖娘になってる訳を。


「君、なんで鎖娘なの? そ、ゆうプレイ好きなの?」


って。


で、知っちまった訳ね、理由(わけ)を・・・なぜこの娘っ子がモッコリ・オッキ誘発鎖娘になちゃってるか、つー、理由(りゆう)をね。

で、国王を訪ねたんょ、素早く。


「あの鎖姫(くさり・ひめ)くれる? 怪物くん退治したら」


って、聞きに。


そしたら、さ。

それ聞いてさ。


「ヤダょ」


な〜んて言うはずないょね、国王も王妃も。

だってさ、怪物くんとペルセウスじゃさ、ペルセウスの方がいいに決まってんも。

だからね、即座に国王はこう言ったんょ。


「うん。 いいよ。 上げるよ。 なんならこの国も一緒に上げてもいいよ」


って。


!?


これ聞いてペルセウスがね、


「サンキュー。 じゃ、遠慮なく貰(もら)っちゃうね」


って、言ったんょ。


!?


こっから、ペルセウスと怪物くんの戦いになっちゃう訳なんだゎさ・・・


ヶど、その前に・・・



『結論』!?



今、ここで言った怪物くんが・・・


即ち、 “ティアマト”


!?


訳。。。



つーこって・・・











ティアマトの解説・お・す・ま・ひ







つづく







『神撃のタイタン』 #15




『ハッ!?


アンドロメダは驚愕した。

ペルセウスの背後を見て。


今。


アンドロメダはそこに、世にも恐ろしい光景を見ているのだ。

そこには西洋画でよく見るドラゴンの翼のような物を持ち、全身鋼鉄の鱗(うろこ)に覆われ、足に水掻きのある巨大なアザラシに良く似た化け物がいたのだ。


そのアンドロメダの驚きと絶望の入り雑じった表情を見て、


『ん?』


即座にペルセウスが異変に気付いた。

そして、



(クルッ!!



振り返った。


瞬間、


『ヌッ!?


ペルセウスも驚いた。

大波と共に、かつて見た事もない恐るべき姿の巨大な化け物が、すぐ目の前まで凄まじい勢いで差し迫って来ていたからだった。


『クッ!? し、しまった!? く、鎖を、鎖を切っている暇がない!?


ペルセウスは思った。

それと同時にこう口走っていた。

アンドロメダに向かって。


「美しき姫よ、暫し待たれよ」


って・・・カッチョ良く。


“キッ!!” て、右目を吊り上げたりなんかしちゃって。


そ、れ、も・・・右半身に構えて。











ここはアンドロメダが繋がれている岩のある海岸である。







つづく